干ばつでアマゾン川の水位が低下、隠されていた古代の岩絵が出現
ブラジルでアマゾン川の水位が低下し、それにより大昔に彫られた岩絵(ペトログリフ)が現れた。
水位の低下で、さらに多くの岩絵
岩に刻まれた絵が見つかったのは、リオ・ネグロ州の川沿いにある「Slabs宮殿(Ponto das Lajes)」と呼ばれる遺跡だという。
その岩絵には人間の顔や動物、自然などが刻まれており、研究者は、これらが1000年前から2000年前に彫られたものだと考えている。
実はこの岩絵は2010年の酷い干ばつで、アマゾン川の水位が深さ13.63mまで下がった時に目撃されたそうだ。
その後も水位は低いままだったが、10月23日には初めて13mを下回り、深さが12.89mになり、再びさらに多くの岩絵が姿を現したという。
石器の生産にも使われていた可能性
岩絵には、動物になぞらえたような人間の顔や、水の描写などがあるのと同時に、岩にはいくつかの溝があったという。
このため、この遺跡は石器の生産にも使われていたと考えられているそうだ。
アマゾナス連邦大学の考古学者、Carlos Augusto da Silva氏は、1つの岩に25の彫刻を発見しており、地元のニュースサイトにも「ここは道具を準備するための場所でした」と語っている。
またこの遺跡では、数千年前のものと思われる陶器の破片も発見されているという。
まだこの遺跡の岩絵は研究が進められておらず、研究者たちは中央アマゾンの他の地域にある岩絵から年代を推定したそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Ancient rock carvings revealed by receding Amazon waters amid drought(10/24)