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小惑星落下で恐竜を大量絶滅に追い込んだのは、塵だった可能性

小惑星落下で恐竜を大量絶滅に追い込んだのは、塵だった可能性
flickr_John Hawkins

恐竜などが大量絶滅した原因について、小惑星の落下によって発生した塵だった可能性が指摘されている。

 

地球上の種の75% が絶滅

 

今から約6600万年前、メキシコのユカタン半島(Chicxulub)に小惑星が落下。これにより恐竜を含む地球上の種の75% が絶滅したという。

 

しかし実際に恐竜たちが絶滅した直接の原因については、煤煙(すす)を放出した山火事や、火山噴火、硫黄の大量発生などが考えられてきた。

 

ただベルギーの研究者は、科学誌「Nature Geoscience」の中で、小惑星落下の衝撃によって引き起こされる「正確な殺害のメカニズム」は十分に理解されておらず、衝突によって巻き上げられる可能性のある数兆トンの「塵」の役割について、あまりにも注意が払われていないと主張している。

 

古代の気候をシミュレート

 

小惑星衝突により、何年にもわたって大気中を渦巻く煤、硫黄、塵はすべて太陽を遮り、植物が衰退する地球規模の冬を引き起こし、動物たちに壊滅的な波及効果をもたらした可能性があるという。

 

ベルギーの研究者は、さまざまな要因の役割をより深く掘り下げるために、小惑星の衝突により、塵の層が堆積したノースダコタ州のサイトから微粒子を回収。その測定値を考慮に入れ、古代の気候のシミュレーションを行ったそうだ。

 

そのシミュレーションによると、ノースダコタ州で見つかった大きさの粉塵は、空に吹き飛ばされた後、最大15年間大気中に残留した可能性が判明したという。

 

そして太陽光線を遮断することで、最大2兆トンの「塵」が2年近く植物の光合成を停止させ、地球の気温を最大15度下げた可能性が出てきたそうだ。

 

この研究に携わったベルギー王立天文台の研究者、セム・バーク・セネル氏は「(小惑星の)衝突現場で粉砕された花崗岩や、その他の岩石から生成された塵は、光合成活動の混乱を通じて、最後の大量絶滅を引き起こした可能性が最も高い」と述べている。

 

ブリュッセル自由大学の地質学者兼惑星科学者であり、この研究の共著者でもあるフィリップ・クレイス氏も、シミュレーションからケイ酸塩の塵が「光合成の最も効率的な阻害剤」であることが判明したとし、「それは大気を太陽光に対して不透明にし、植物の光合成プロセスを妨げる」と述べている。

 

ちなみにユカタン半島に落下した小惑星は、過去5億年間で最大のものとされ、核爆弾10億(a billion)個分を合わせた威力で爆発したという。(了)

 

出典元:The Guardian:Dust drove dinosaurs’ extinction after asteroid impact, scientists say(10/30)

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