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車内が水浸し…英に導入された日立の新型車両「クラス800」が運転初日にトラブル

車内が水浸し…英に導入された日立の新型車両「クラス800」が運転初日にトラブル
YouTube/HitachiBrandChannel

イギリスに導入された日立製作所の新型高速鉄道の車両で、営業運転が始まった日にトラブルが起きたのをご存知だろうか。

 

期待されていた都市間高速鉄道

 

その車両とは日立製作所が「グレートウェスタン鉄道(GWR)」に納入した「クラス800(800系)」。

 

これはイギリスの都市間高速鉄道計画に向けた車両で、いわば「ヨーロッパ版の新幹線」。最大の特徴は、架線がなく電気が供給されない非電化区間でも、床下にあるディーゼルエンジン付き発電機を使い、電気モーターを駆動して自走できることだという。

 

そして従来より高速で、しかも多くの乗客を運べるとして、今回運転を開始したロンドンとウェールズ間などイギリス南西部の路線では、今後27年間にわたり活躍することが期待されていたとか。

 

実際に乗客も、英メディアのBBCの取材に対し「私はドキドキしています。なぜなら人々が今日から、スワンシーとロンドンのパディントンを移動できるのです。人々はこの路線において、最も現代的な列車を利用していくでしょう」と語っていた。

 

空調機器から水が漏れ、水浸しに

 

しかし運転の初日となった10月16日、南西部にあるブリストルのテンプル・ミーズ駅を午前6時に出発する予定が25分も遅れ、その結果終点のロンドン、パディントン駅には40分遅れで到着したという。

 

また途中、客車の天井にある空調機器から水が漏れて、座席がずぶ濡れに。ネットにはその時の様子を捉えた写真が投稿されている。

この時、列車内にはイギリスのクリス・グレイリング運輸相をはじめとする政府関係者などVIPのほか、地元のメディア、さらに多くの鉄道ファンらが乗り合わせていたとか。

さらに8時15分にロンドンを出発し、ウェールズの中心都市、カーディフへ向かう列車は、最終的にキャンセルされたそうだ。

 

水漏れの原因は、逆流防止弁の作動ミスか

 

「クラス800(800系)」の先行製作車両は、2015年1月17日に山口県にある日立製作所の笠戸事業所から出荷され、その後3月12日にはイングランドの南部にあるサウサンプトンに陸揚げされたという。

 

その後、大部分の車両はダーラム州ニュートン・エイクリフにある鉄道車両工場において製造が進められたため、パーツについてもイギリス製を中心に極力ヨーロッパのものを採用したと言われている。

HITACHI European suppliers

また調べてみると、空調機器に関しては日本の鉄道車両で一般的なヒーター・冷房機・補助送風機をそれぞれ個別に搭載するのではなく、冷暖房兼用のエアコン方式となっていることが明らかとなった。

 

なぜ水が漏れたのか原因は分かっておらず現在も調査中だが、空調の水冷に使う排水管の先端にある逆流防止弁がうまく作動せず、水が溜まりすぎて溢れたという見方をしているそうだ。

 

日立レール・ヨーロッパのカレン・ボズウェル社長はツイッターで「計画通りに行かず、大変申し訳ないと、乗客の皆さんにお伝えしたい」とコメント。

 

また、BBCは今回のトラブルを受けて「新しい高速鉄道の出発に暗雲を投げかけた」と伝えている。

 

今回、なぜこのようなトラブルが発生したのか疑問に思い調べたのだが、車両自体にも想像以上に最先端の技術が導入されていることが分かった。そして営業運転2日目の17日は無事に終えることができたそうだ。

 

この失敗を乗り越えて課題を克服すれば、きっと地元の人々から信頼される列車になるに違いない。(了)

 

出典元:BBC:‘Teething problems’ for new GWR train to Wales(10/16)

出典元:HITACHI:日立の英国都市間高速鉄道計画向け車両が英国のサウサンプトン港に到着(2015/3/12)

出典元:東洋経済:日立「英国高速車両」は、トラブル続出だった(10/19)

参考:European suppliers selected for the Class800/801 trains

参考:日刊工業新聞:【電子版】日立製の新型車両、英高速鉄道で営業運転開始(10/16)

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