「スペイン語を話す店員は通報するぞ」脅迫をしたNYの弁護士に非難殺到

Facebook/Edward Suazo

アメリカのニューヨークで、白人の弁護士が、あるレストランに対して差別的な発言をし、脅迫したとして非難を浴びている。

「移民捜査局へ連絡するぞ」と脅迫

その弁護士の男性とは、Aaron Schlossberg氏（42）。彼は5月15日に、マンハッタンの「Fresh Kitchen」というレストランで従業員に対してクレームをつけたという。

その理由は、店のスタッフが客である自分に対して、スペイン語で話しかけてきたからというもの。

実際に当時、撮影された動画の中でもSchlossberg氏は「あなたたちのスタッフは、英語で話しかけるべきところを、顧客に対してスペイン語で話しかけている！」と怒りを露わにしている。

さらにSchlossberg氏は、移民税関捜査局（ICE）へ電話をするぞと脅迫。「私が思うに、彼らは正式な入国の許可を得ていない。だからこれからICEへかけるつもりだ、彼らを1人ずつ私の国から追い出すために」と語ったという。

この映像はその後、目撃者によってフェイスブックに投稿され、一気に拡散。Schlossberg氏の差別的な発言に対して、激しい非難の声が寄せられたそうだ。

So my wife and her best friend Just experience what America is becoming !They where on there lunch time and ordering there food and just because they where speaking in Spanish to the waiter this asshole jumps in and started to call the waiter and my wife and her best friend all types of names and threatened to call I.C.E on them and the employees !!!!What a big man talking down to couple of women and a helpless employee. I wish someone tells me I can’t speak in my native language ! First of all they wasn’t talking to you !! Asshole !My country !! Haha 😆 I love the way people are just throwing that world around lately !! If you love this country this much ! Why don’t you put on uniform and protect it !!If he was so offended because the waiter was speak in Spanish only because of a native person spoke to him in Spanish, why don’t he start waitering and he won’t have that issue and family stop getting Spanish nannies and stop getting Spanish people to farm and ………You know where I’m getting !!So please stop !! Because in the end you need them ! But what you need to do is stop trying to control us ! Slavery stopped a long time ago !!Deena Gonzalez Emily Serrano

Edward Suazoさんの投稿 2018年5月15日火曜日

マスコミのリポーターも殺到

またこの映像は、やがて大手メディアにも取り上げられる。そして2日後の17日には、会社へ向かうSchlossberg氏にマスコミのリポーターが殺到。執拗に追い回し、コメントを求め続けた。

これに対しSchlossberg氏は傘で顔を隠し、リポーターの質問に答えるのを拒否。代わりに警察へ連絡したそうだ。

Schlossberg氏は携帯で警察に対し「お願いです、助けを寄越してください。彼ら（リポーター）は真実ではないことを主張しています。そして私をつかみ、歩かせないようにしているんです」と述べていたという。

Oh, Aaron Schlossberg, it must be awful to be accosted by a stranger when you're just trying to work and go about your day. pic.twitter.com/tndpgYB6VC

— Greg Hogben (@MyDaughtersArmy) May 17, 2018

さらにネットでは彼の弁護士資格を停止させるよう求める動きもあり、Schlossberg氏のビジネスページにも非難のメッセージが殺到しているそうだ。

ニューヨーク市長なども暗に批判

無論、彼を非難しているのは、一般市民だけではない。Schlossberg氏が通報しようとした移民税関捜査局（ICE）でさえも、彼が店を脅迫したことを批判。

取材に対しても「ICEの受付窓口の利用は、犯罪が疑われる行動に対する、合法的な報告を目的としたものに限ります。相手を怖がらせたり、嫌がらせをしたりするための道具として使われるべきではありません」と語っている。

またニューヨーク市のBill de Blasio市長も、ツイッターで次のように述べている。

「ニューヨーク市の多様性が私たちの力なのです。それがこの町を素晴らしいものにしているのです。この町を自分の家と呼ぶ860万人が、200以上の言語で話しています。彼らは全員、ニューヨーカーです。そして彼らは全員、ここでは歓迎されているのです」

New York City's diversity is our strength. It's what makes this city great. The 8.6 million people who call this city home speak more than 200 languages – they’re all New Yorkers and they’re all welcome here.

— Bill de Blasio (@NYCMayor) May 16, 2018