「彼は侵略者だ!」NYでコロンブス像の撤去を求め、多くの人がデモに参加
新大陸を発見したとされているクリストファー・コロンブス。彼の像を撤去するよう求めるデモが、先週アメリカで行われた。
「この像は大量虐殺への賛辞だ」
8月25日の夜、ニューヨーク市内にあるセントラルパークの円形広場に飾られているコロンブス像の前に、多くの人々が集まり、撤去を求めデモを行ったという。
参加した人々はそれぞれプラカードを掲げ、市内を歩いたとされている。
そのプラカードには「コロンブスはアメリカを発見したのではない!侵略したんだ!」や「(この像は)人種差別や大量虐殺への賛辞だ」と書かれていたそうだ。
Rally to remove Columbus monument at Columbus Circle NYC
TODAY (Aug 25) @ 8pmhttps://t.co/sosefEFYoC pic.twitter.com/eIddBypBfS— Ash J (@AshAgony) August 25, 2017
原住民を残酷に扱い、奴隷貿易も進めた
コロンブスは1492年に当時のスペイン帝国の支援を受け、大西洋を船で横断。アメリカ大陸を発見した白人として、歴史に刻まれ称えられてきた。
しかし評論家の中には、コロンブスがカリブ海地域やアメリカ南部の原住民を残酷に扱い、奴隷貿易を積極的に推し進めてきたと批判する人もいるとか。
また現在、アメリカではバージニア州で白人至上主義者による殺人事件が起きて以来、各地で南部連合の像や、人種差別主義者とされる人物の像の撤去が進められているという。
撤去に反対する集会も開催される
今回のデモもバージニア州での事件を受け、ニューヨークのBill de Blasio市長の下で「憎悪や差別の象徴」である銅像の撤去計画が検討されている中で起きたとされている。
しかしこれに先立ち、同日の午前中には、コロンブス像撤去に反対するイタリア系の住民らも集結。ニューヨークの市民会館の前で演説を行い、撤去する動きに対し「これはニューヨーク市の歴史において不幸な1ページ(章)となる」と訴えたそうだ。
Rally in support of keeping Columbus statue in Columbus Circle at City Hall pic.twitter.com/snLZnBzFpo
— Madina Touré (@madinatoure) August 24, 2017
コロンブスはイタリア出身だったことから、イタリア系のアメリカ人の間では英雄視する傾向が強く、逆にカリブ海諸国出身のアメリカ人などは虐殺を行った人物として人種差別の象徴と捉えているという。(了)
出展元:CBS News:Italian Americans Rally To Keep Christopher Columbus Statue In Columbus Circle(8/24)