「難民をもっと受け入れろ!」スペイン政府に訴えるデモ行進に16万人が参加
スペイン政府に対し、戦争などから逃れてきた難民を多く受け入れるよう求める大規模なデモが行われ、注目されている。
●「彼らを今すぐ入国させろ!」
英紙Independentによれば、デモは2月18日にバルセロナの中心地で行われ、少なくとも16万人が、保守系勢力に率いられた政府に対し、さらに難民受け入れの努力をするよう訴えたという。
そもそもスペインでは約1万7000人の難民受け入れを約束していたが、実際に入国できたのはまだ約1100人しかいないとされている。
そのため多くのデモ参加者は、これまでの政府の消極的な姿勢を非難し、街の中心から海岸沿いまで行進。
多くの人が「言い訳はもううんざりだ!彼らを今すぐ入国させろ!これ以上の死はいらない!国境を開け!」というスローガンが書かれた看板やバナーを掲げていたそうだ。
バルセロナ警察は今回のデモ参加者を16万人と見ているそうだが、主催者側によれば30万人が集まったという。
●ドイツは2015年に89万人を受け入れ
スペイン政府は2015年9月、イタリアとギリシャのキャンプにいる難民1万5888人と、トルコやリビアにいる1449人、合わせて1万7337人を2年以内に受け入れると約束。
先週の木曜日にはシリア人65人とイラク人1人、合計66人がマドリードに到着したとされているが、それでもこれまで受け入れてきた1100人という数字をわずかに押し上げただけに過ぎない。
これに対しEU加盟国のドイツは、2015年に亡命希望者89万人を、2016年には28万人を受け入れてきたという。
さらに昨年だけで約69万5000人以上の亡命申請を受理。そのうちの60%を認め、完全な難民資格、またはそれより保護が少ない形の資格を与えたとされている。
●バルセロナ市長も政府に働きかける
もっともスペイン国内でも難民をより多く受け入れる活動は、さまざまなレベルで行われてきたようだ。
実際に活動家で、現在バルセロナ市長を務めているAda Colau氏も、市がより多く難民を受け入れられるよう、政府に強く働きかけてきたという。
彼は取材に対し「外国人恐怖症が増え、ヨーロッパの不透明感が増す中、バルセロナが希望の都市になることは極めて重要なことなのです」と語っている。
(了)
出展元:INDEPENDENT:More than 160,000 march in Barcelona to demand Spain takes in more refugees(1/19)