アフリカでの野生動物の密猟を防ぐため、イギリス軍が派遣されることに
アフリカで横行する密猟。これらと戦い、動物たちを守るため、イギリス軍が協力することとなった。
レンジャー隊員らをトレーニング
イギリスのGavin Williamson国防大臣によれば、アフリカの南東部、マラウイ共和国にある2つの国立公園などにおいて、対密猟トレーニングを拡大させるために部隊を派遣するという。
そこではイギリス軍兵士が、地元の約120人に及ぶレンジャー隊員らに密猟者の追跡方法や歩兵の戦術、自然環境でのサバイバル方法、さらに情報分析スキルなどのトレーニングを行うそうだ。
Williamson大臣は次のように語っている。
「残虐な密猟による貿易は、素晴らしい動物たちを危険にさらしています。国立公園のレンジャー隊員らにトレーニングや助言を提供することにより、彼らは熟練した組織を形成することができ、次の世代も世界の貴重な種が確実にここにいられるようになるでしょう」
過去にもトレーニングを行い成功
実はこのような試みは昨年、Liwonde国立公園でも行われ成功しており、今回のNkhotakotaやMajeteなどの野生動物保護区へのイギリス軍の派遣も、5月には始められる予定だという。
レンジャー隊員のCraig Reid氏は「そのトレーニングは、かつて密猟で荒らされた地域で、法の執行を持続可能なものにすることに役立ちました」と語っている。
マラウイでのゾウの個体数は1980年代には4000頭いたが、密漁により、2015年には2000頭まで半減したと見積もられているそうだ。
マラウイの野生動物国立公園のディレクターであるBrighton Kumchedwa氏も、イギリス軍との新しいパートナーシップに関して、自信をのぞかせている。
「密猟に対する活動で、マラウイ当局やアフリカの自然公園とパートナーシップを組んで共に働くため、イギリス軍が戻ってくることになり、私たちは本当に喜んでいます。これによって以前と同様に成功し、マラウイで野生動物への犯罪に関わる人々の生活は、より確実に困難になるでしょう」
生活が貧しいから密猟に手を染めると考えられてきたが、同時に密猟が減らなかったのは、捕まる恐れやリスクが低かったという要因もあったのかもしれない。(了)
出典元:BBC:British troops aid Malawi wildlife anti-poaching fight(2/16)
参考:PHYS ORG:Malawi turns to British troops in poaching war(2017/11/2)