イスラエル軍の戦闘機が、ガザ地区で支援物資を配送していた人々に空爆、23人が死亡
イスラエル軍は19日にもガザ地区北部の攻撃を激化させており、支援物資を運んでいたパレスチナ人が数多く殺された。
再びクウェート環状交差点を空爆
イスラエル軍の戦闘機は、ガザ市の北部にあるクウェート環状交差点を空爆。これにより支援物資を運んでいた、23人のパレスチナ人が死亡したという。
クウェート環状交差点は、ガザ地区で不足している食料などの支援物資が到着する場所とされ、これまでも度々イスラエル軍はそこに集まる人々に対して攻撃を加えてきた。
また死亡した23人のパレスチナ人らは、食糧配給で混乱が生じた後に設立された地元の委員会のメンバーで、彼らは支援物資の配給の調整を行い、国連センターに必要な支援物資を安全に届けるために取り組んでいたそうだ。
3階建ての建物が倒壊
またガザ地区中部にあるアル・ヌセイラト難民キャンプの家屋にも19日、イスラエル軍が空爆を行い、少なくとも15人が死亡したという。
この空爆により3階建ての建物が倒壊し、まだ多くの犠牲者が瓦礫の下に埋まっていると見られ、現在救助活動が続けられている。
下の動画は、Deir el-Balahの「アル・アクサ殉教者病院」に、負傷者が到着する様子。
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またイスラエル軍は、同じくヌセイラト難民キャンプにある国連の事務所前に止められた車両を空爆。少なくとも子供1人を含む5人が死亡したという。
この攻撃の標的にされたのは、ヌセイラト警察のマフムード・アルバユーミ署長で、車に同乗していた他の人々と共に、殺害されたそうだ。
米政府「飢餓を武器」との見方を否定
現在、イスラエル軍はガザ地区において、支援物資の搬入を制限し、「飢餓」を武器にしていると言われているが、アメリカ政府はこの見方を否定した。
アメリカ国務省のVedant Patel報道官は19日、記者団に対し、「アメリカ政府は、イスラエルがガザ地区で飢餓を武器として利用していることを示す決定的な証拠は、まだ見ていない」と述べたという。
EUの外交責任者であるジョゼップ・ボレル氏は19日、ガザ地区で広まっている飢餓は「容認できない」と発言。これまでもイスラエル軍により、飢餓が「戦争兵器」として利用されていると述べてきた。
また国連人権事務所の報道官も19日、ガザ地区でイスラエル軍が「飢餓」を引き起こしていることについて、戦争犯罪にあたる可能性があると指摘した。
Israel restricting humanitarian aid for the besieged Gaza Strip could be seen as using starvation as a ‘weapon of war’, says UN human rights chief Volker Turk https://t.co/XM3LNR25BZ pic.twitter.com/3Ch5To0S7y
— Al Jazeera English (@AJEnglish) March 19, 2024
アメリカ国務省のVedant Patel報道官は、ガザ地区で飢餓が差し迫っているとする国連の報告書についても、「アメリカ政府は懸念している」と述べるにとどめた。
先日、アメリカのバイデン大統領とイスラエルの首相が電話会談を行ったが、その中でネタニヤフ首相は改めて、ガザ地区南部のラファにいる「ハマス」を「完全に排除する決意」を「極めて明確に」伝えたという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: 23 killed in air strikes on food-aid workers(3/19)