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ガザ地区で1600人の子供が重度の栄養失調に陥っている:WHO

ガザ地区で1600人の子供が重度の栄養失調に陥っている:WHO
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世界保健機関(WHO)は12日、ガザ地区で多くの子供たちが重度の栄養失調に陥っていると明らかにした。

 

栄養失調と診断された子供は8000人以上

 

WHOのテドロス事務局長によれば、ガザ地区の人々のかなりの割合が現在「壊滅的な飢餓と飢饉のような状況」に直面しているという。

 

また急性栄養失調と診断され、治療を受けた5歳未満の子供は8000人以上おり、そのうち1600人は重度の急性栄養失調の子供だと明らかにした。

 

その上でテドロス事務局長は「食糧の配給が増加したとの報告があるものの、最も必要としている人々が、十分な量と質の食糧を受け取っているという証拠は今のところない」と述べた。

 

さらに同氏は、重度の栄養失調患者のための医療センターが2カ所しかなく、「医療サービスを安全に提供できないことと、清潔な水と衛生設備の不足が相まって、栄養失調の子供のリスクが大幅に高まっている」と警告した。下の動画の閲覧には、ご注意いただきたい。

 

犠牲者の70%が女性と子供

 

ガザ地区のメディア局は、侵攻から250日目となった12日、これまでの被害の統計を発表した。

 

それによれば昨年の10月以来、ガザ地区では3万7202人のパレスチナ人が殺害され。1万人が行方不明になっているという。

 

犠牲者の70%は女性と子供で、これまでに1万5694人の子供が殺害され、33人が飢餓で死亡したそうだ。

 

また1万7000人の子供が両親と離れているか、片親と暮らしており、医療スタッフも498人が殺され。ジャーナリストも150人が殺害されたという。

 

ガザ地区からは5000人のパレスチナ人がイスラエル軍に拘束され、そのうち少なくとも310人が医療従事者または医療専門家だとされている。

 

ガザ地区の保健当局によれば、部分的に機能している病院はわずか16カ所で、全90カ所のうち64カ所の医療センターが機能停止しており、130台以上の救急車が破壊されたという。

 

停戦交渉は難航か?

 

一方、停戦交渉について、アメリカのブリンケン国務長官は12日、訪問先のカタールで行った記者会見で、「ハマス」側がガザ地区での停戦案に対し、多くの変更を求めてきたと明らかにした。

 

その上でブリンケン国務長官は「(停戦案の)変更は可能なものもあれば、そうではないものもある。今後もカタールやエジプトとともに合意に向けて働きかけを行う」と述べ、交渉を続ける考えを示した。

 

しかしそもそも、イスラエル側は、戦闘を続ける構えを見せており、この停戦案を受け入れようとする姿勢が見られない。

 

実際、イスラエル軍は12日にもガザ地区中部にあるアル・ムグラカの町を空爆し、5人のパレスチナが死亡、多数が負傷したという。

 

またイスラエル軍はガザ地区中部にあるブレイジ難民キャンプの住宅にも攻撃を加え、数名が負傷。さらに、南部のラファに隣接するマワシ地区へも砲撃を行った。

 

マワシ地区での被害はまだ明らかになっていないが、この地域はイスラエル軍が安全地帯に指定し、パレスチナ人に避難するよう呼び掛けていた場所となる。(了)

 

出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Over 15,000 children killed as war hits day 250(6/12)

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