ISSで緊急事態が発生?宇宙飛行士の危機を知らせるメッセージが流出
先週、国際宇宙ステーション(ISS)にいる乗組員のメッセージが流出し、緊急事態になったとの憶測が広がった。
NASAの公式チャンネルに流れる
6月12日、ISSにいる宇宙飛行士から、危機に瀕していることを伝えるメッセージが、YouTubeチャンネルに流されたという。
その音声では、ISSの乗組員の声で「生存の可能性は、ごくわずかしかない」と述べられ、地上管制官と思われる人物が、乗組員に対し、その宇宙飛行士に宇宙服を着せるのを手伝い、脈拍をチェックし、酸素を供給するよう求めていたそうだ。
しかもこのメッセージは、NASAの公式チャンネル(ライブ)で放送されたため、さらに信憑性が増し、一時ISSが緊急事態に陥ったのではないかとの憶測が広がったという。
さらに音声を聞いた一部の人は、宇宙飛行士が「減圧症」に苦しんでいると信じたそうだ。
BREAKING! Emergency Situation on the ISS!
“hypobaric exposure” to the commander “multiple dps hits”Listen Live: https://t.co/g5AQSjBOm8#NASA #ISS #SpaceStation #Emergency #Breaking pic.twitter.com/megfDjHUtg
— The Launch Pad (@TLPN_Official) June 12, 2024
誤ってYouTubeで公開してしまう
しかしこの音声は、乗組員と地上チームが宇宙でのさまざまなシナリオに備えた訓練を行っていた時に、誤ってYouTubeに流されたものだったという。
宇宙飛行士たちは緊急事態に備えて、シミュレーションをしていただけで、実際に緊急事態に陥ってはいなかったそうだ。
There is no emergency situation going on aboard the International Space Station. At approximately 5:28 p.m. CDT, audio was aired on the NASA livestream from a simulation audio channel on the ground indicating a crew member was experiencing effects related to decompression…
— International Space Station (@Space_Station) June 13, 2024
民間企業の「SpaceX」も、「単なるテストだった」「ISSで緊急事態は発生していない」とソーシャルメディアに投稿している。
NASAによると、音声が放送された時、ISSにいた乗組員は眠っており、また翌13日に行われる船外活動の準備中だったという。(了)
出典元:BBC:Nasa astronaut distress message broadcast in error(6/13)