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洞窟で凍ったまま死んでいた男性、約50年の時を経て身元を特定【アメリカ】

洞窟で凍ったまま死んでいた男性、約50年の時を経て身元を特定【アメリカ】
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47年前に、アメリカの洞窟で死んでいた男性の身元が、最近特定された。

 

ペンシルベニア州の洞窟で1977年に発見

 

その男性の遺体は、1977年にペンシルベニア州のアパラチア山脈付近の洞窟の中で、ハイカーらによって発見されたという。

 

男性は当時、凍ったままの状態で発見されており、警察は犯罪行為の兆候はないとし、彼の死は薬物の過剰摂取による自殺とみていたそうだ。

 

警察は男性の外見や所持品、衣服から身元を確認することができず、また検視官は彼の歯の状態を記録し、指紋を採取したが、その後指紋カードを紛失してしまい、男性の身元は長い間、謎のままだったという。

 

しかし今回、紛失した指紋の証拠を追跡したことで、身元を特定することに成功。ペンシルベニア州バークス郡検視局は先週、この男性がペンシルベニア州フォート・ワシントン在住のニコラス・ポール・グラッブさん(27)であると明らかにした。

 

指紋カードを偶然、発見

 

検視官のジョン・フィールディング氏によれば、過去15年間にわたり、州警察の刑事と検視局の捜査官が、指紋と歯のX線写真からニコラスさんの情報を、少なくとも10人の行方不明者と照合してきたという。

 

そして歯の記録から、イリノイ州とフロリダ州の2人の行方不明者と関連付けられたため、ニコラスさんの遺体が2019年にお墓から掘り起こされ、DNAサンプルが収集されたが、結局そのデータはどちらの行方不明者とも一致しなかったそうだ。

 

しかし2024年8月、ペンシルベニア州警察のイアン・ケック氏は、1977年の検視中に採取され、その後紛失した指紋カードを発見。それを国家行方不明者・身元不明者システム(NamUs)に送ったところ、FBIの指紋専門家がわずか53分で、ニコラスさんの指紋であると確認できたという。

 

親族に身元を確認したと通知

 

ニコラスさんは1970年代初頭、ペンシルベニア州陸軍州兵の一員で、亡くなる2年前にコロラド州で警察と関わりを持ったことで、彼の指紋は自動指紋識別システムに保存されていた。

 

バークス郡検視局はニコラスさんの親族の一人に、彼の身元を確認したと通知。親族は、ニコラスさんの遺体の引き取りを申し出たという。

 

指紋カードを発見したイアン・ケック氏は、次のように述べている。

 

「家族は自分たちの身に何が起こったのか分からないまま、40年以上も愛する人を探し続けています。私もこのことに微力ながら携わることができ、お役に立てたことをうれしく思います」(了)

 

出典元:The Guardian:Man found frozen in Pennsylvania cave nearly 50 years ago identified(9/2)

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