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イスラエル軍がガザ地区の安全地帯へ大規模な空爆、40名以上が死亡

イスラエル軍がガザ地区の安全地帯へ大規模な空爆、40名以上が死亡
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イスラエル軍は、自らが安全地帯と指定したガザ地区のエリアへ、大規模な空爆を行い、一度に数多くのパレスチナ人を殺害した。

 

安全地帯のアル・マワシ地区を攻撃

 

9月10日、現地時間の午前0時34分、ガザ地区南部のハンユニス西側にあるアル・マワシ地区の難民キャンプを、数発のイスラエル軍の爆弾が襲ったという。

 

このエリアはイスラエル軍が安全地帯に指定した場所であり、ガザ地区の他の場所から何十万ものパレスチナ人が避難し、人口も密集していたとされている。

 

この空爆により、テントや住宅、施設に広範囲の被害が生じ、パレスチナ人40人が殺害され、60人以上が負傷。現在も遺体の回収作業が進められており、今後も犠牲者が増えると見られている。

 

遺体が「溶けて」いた

 

中東メディア「アルジャジーラ」の調査によれば、この攻撃では約900kgの「MK-84」無誘導爆弾が使用されたと考えられ、現場からの写真にも、深さ10~15メートルのクレーターが確認できたという。

 

ガザ地区の保健当局は、この攻撃で19人の遺体を搬送し、身元も確認。しかし爆発の威力は凄まじく、残り22人の遺体は「溶けて」いたため、搬送できなかったそうだ。

 

イスラエル軍は、今回の攻撃について「ハマス」の司令部を標的にしたと述べているが、パレスチナ側はこの主張を「明らかな嘘」だと主張している。

 

「民間人の命を完全に無視」

 

この攻撃については、国際社会からも一斉に非難の声が上がっている。

 

国連のグテーレス事務総長は広報官を通じ、イスラエル軍が安全地帯になっている人口密集地域で、重火器を使用したことを非難。ガザ地区内に、安全な場所はないことを繰り返し述べたという。

 

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)も、人道支援地域(安全地帯)に指定されていたアル・マワシ地区へのイスラエル軍の攻撃を非難。次のように痛烈に批判した。

 

「これらの手段や方法が、民間人や民間インフラに不当な損害を与えているという圧倒的な証拠があるにもかかわらず、イスラエルは、人口密集地域で広範囲に影響を与える兵器の使用を選択し続けている。これはパレスチナ民間人の命を完全に無視していることを示唆している」

 

ノルウェーのEspen Barth Eide外務大臣も、アル・マワシ地区に対するイスラエルの致命的な空爆を非難。「X」において、次のように訴えた。

 

「すべての当事者には、戦争において民間人を保護する義務がある。武装勢力の存在は国際人道法を遵守する義務を、無効にするものではない。戦争は終わらせなければならない」

 

これまでも度々、安全地帯へ攻撃

 

イスラエル軍が、アル・マワシ地区を標的にしたのは、これが初めてではない。

 

人道支援地域(安全地帯)に指定されていたアル・マワシ、ハンユニス、ラファにある避難民のテントに対するイスラエル軍の攻撃は、少なくとも15件も記録されているという。

 

しかも、これらの攻撃により、500人以上の負傷者に加え、多数の子供や女性を含む248人以上のパレスチナ人が殺害されたそうだ。

 

複数の人権団体も声明を発表し、「イスラエルは、子供を含む民間人の命に価値も感じず、何の考慮もせず、避難民のテントを標的として大規模な火力を行使した」と非難。国際人権法と国際人道法の規則に違反する犯罪であると断じた。

 

イスラエル軍は10日、ガザ地区の他のエリアも攻撃しており、中部のブレイジ難民キャンプへも砲撃を加え、少なくとも少女1人が死亡、多数の人が負傷したという。

 

またガザ地区南部のハンユニスでも、イスラエル軍の攻撃により、住宅が完全に破壊されて、パレスチナ人6人の死亡が確認されている。(了)

 

出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: ‘Unconscionable’ attack on ‘safe’ zone denounced(9/10)

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