台風に襲われた中国南部、スマホに充電できずパンすらも買えなくなる
台風11号(ヤギ)の猛威のために停電となった中国·海南省では、仮設の充電ステーションに人々が押し寄せた。電子決済が浸透しているため、スマホが使えないと何も買えないからだ。
必死の思いで充電する人々
今年アジアで最も勢力が強いとされる台風11号(ヤギ)は、今月6日に中国·海南省(海南島)を襲い、甚大な被害をもたらした。
停電は生活を不便にし、もちろんバッテリーの切れたスマホを充電することもできなくなった。そうなると、電子マネーの決済ができない。これは、キャッシュレス化が進んでいる海南省の市民にとって大問題だ。
街中には、小型発電機による電気で、スマホを充電する仮設の充電ステーションが設けられた。そこに住民が殺到する様子が撮影され、Xでシェアされている。ある投稿者はこう説明する。
キャッシュレス社会の欠点
中国海南省
台風(ヤギ)の後、水道と電気が止まった。中国の人たちは、スマホを充電するのに必死になった。なぜなら、お金は全部スマホに入っているからだ。スマホなしではパン一切れも買えない。ーーSongpinganq@songpinganq
Downside of cashless society
Hainan, China🇨🇳
After the typhoon, the water and electricity were cut off, Chinese people desperately wanted to charge their phones.
Because all your money is in your mobile phone. Without a mobile phone, you can’t even buy a piece of bread. https://t.co/EfluhEUilv pic.twitter.com/IYEGEnW0Tr— Songpinganq (@songpinganq) September 9, 2024
キャッシュレス化を危惧する声
動画の投稿者は、キャッシュレス社会の危険性として、停電だけでなく政府による管理を挙げ、こんなコメントも書き込んでいる。
これは中国で実際にあること。
(中国政府が運用する)社会信用システムのブラックリストに1度載ってしまうと、政府が発行する電子マネーは使えなくなってしまう。
そうすると、食料を買えなくなり、ホテルに泊まったり列車や飛行機のチケットを買うなど……その他いろいろなことが、オンラインではできなくなる。
中国はキャッスレス決済で世界トップの国である、と中国国営メディア「新華社通信」が1年ほど前に報じたそうだ。スマホ決済アプリAlipay(支付宝)やWeChatPay(微信支付)が国民に浸透したため、流通しているお金のうち、現金の割合はわずか3.7%になっているとのこと。(了)
出典元:HindustanTimes:Super Typhoon Yagi exposes China’s cashless society flaws as people flock to charge phones. Watch(9/10)
出典元:NDTV:“You Can’t Even Buy Bread”: People Line Up To Charge Phones After Typhoon Yagi Hits China(9/12)