「イスラエルは、全てのレッドラインを越えた」ヒズボラの指導者が報復を誓う
2日間に及ぶ小型通信機器の爆発が続き、レバノンのシーア派武装組織「ヒズボラ」の指導者が、イスラエルに警告した。
事実上の「宣戦布告」
「ヒズボラ」の指導者、ナスララ師は9月19日、テレビ演説を行い、イスラエルによる小型通信機器を使った攻撃について、事実上の「宣戦布告」であると述べた。
また2日間に及ぶイスラエルの攻撃は、「全ての法と、レッドラインを越えている」とし、「ヒズボラ」が報復措置をとるつもりだと警告した。
ポケベル型通信機器やトランシーバーを爆発させた攻撃では、所持していた「ヒズボラ」のメンバーなど少なくとも37人が死亡。3000人以上が負傷し、そのうち200人が重篤な状態に置かれているという。
Hezbollah chief Hassan Nasrallah blamed Israel for sabotaging communication devices that exploded in Lebanon, vowing retaliation for what he called a breach of “all laws and red lines.” pic.twitter.com/NAS2UAVe1X
— Al Jazeera English (@AJEnglish) September 19, 2024
「犯罪政権の崩壊を目撃するだろう」
イラン・イスラム革命防衛隊のホセイン・サラミ司令官も、イスラエルによる小型通信機を使った攻撃を非難。次のように述べた。
「このようなテロ行為は疑いなく、シオニスト政権(イスラエル)の絶望と、相次ぐ失敗の結果だ。これはすぐに抵抗勢力(枢軸)からの、圧倒的な反応に見舞われるだろう。そして我々は、この血に飢えた犯罪政権の崩壊を目撃することになるだろう」
ここでいう抵抗勢力とは、レバノンの「ヒズボラ」、イエメンの反政府勢力「フーシ派」、イラクの「人民動員隊」など、イランと連携した各国の武装集団を指す。
レバノン南部全域で大規模な空爆
一方、イスラエル軍は19日も、レバノン南部全域で数十回に及ぶ空爆を行い、これまでで最も激しい攻撃を行ったという。
イスラエル軍は、レバノンに配置された数十基のミサイル発射台や、他の「ヒズボラ」のインフラを攻撃したと明らかにした。
イスラエル空軍によれば、情報機関の指示により、「イスラエル領土に向けて飛翔体を発射する準備ができていた、ランチャー約150基を破壊した」という。
レバノン保健省は、南部のアル・ハニヤの町に対するイスラエル軍の攻撃で、4人が負傷したと明らかにした。
ガザ地区各地でイスラエル軍の攻撃
ガザ地区でもイスラエル軍の攻撃は続いており、中部のアルマガジ難民キャンプでは、民間の車が狙われ、パレスチナ人2人が死亡、多数が負傷したという。
ガザ地区北部のガザ市Zeitoun地区でもイスラエル軍の攻撃が行われ、隣接するネツァリム回廊付近では、パレスチナ人男性がイスラエル軍の狙撃兵に射殺された。
ガザ地区南部のラファでも、「ハマス」の戦闘員とイスラエル兵との間で激しい戦闘が行われ、その後パレスチナ人2人の遺体が発見されたそうだ。
下はヨルダン川西岸地区の町、Qabatiyaからの映像。イスラエル兵が、死亡したパレスチナ人の遺体を屋根から、突き落とす様子が映っている。
Israeli occupation soldiers throw injured men from a rooftop in Qabatiya outside Jenin in the occupied West Bank earlier today. This is Israel’s “self defence” pic.twitter.com/uYQxDYfJP2
— Husam Zomlot (@hzomlot) September 19, 2024
イスラエル兵は、Qabatiyaの町を襲撃し、少なくとも5人のパレスチナ人を殺害。この映像はその後に、ジャーナリストによって撮影されたという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Fierce battles in Rafah amid shift to Lebanon(9/19)