「ネタニヤフは一線を越えた」イスラエル国防軍の兵士130人が任務拒否を示唆
数多くのイスラエル兵が書簡に署名し、政府に対して、ガザ地区での方針を転換するよう求めた。
人質を帰還させるため方針転換を要求
イスラエルのメディア「Haaretz」によれば、その書簡はイスラエル政府の閣僚や、軍の参謀本部に宛てたもので、130名の兵士が署名しているという。
兵士らは書簡の中で、ネタニヤフ首相が「越えてはならない一線を越えた」とし、ガザ地区での戦闘を継続すれば「多くの命が危険にさらされる」と主張したという。
その上で兵士らは、ガザ地区で人質になっている人々を帰還させるために、現在の方針を転換するようイスラエル政府に求めたそうだ。
Over 100 Israeli forces have signed a letter stating they will refuse military service unless the government commits to a Gaza ceasefire and secures the release of captives, according to the Israeli newspaper Haaretz.
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— Al Jazeera English (@AJEnglish) October 9, 2024
「任務を続けることはできない」
イスラエルのネタニヤフ首相は、「ハマス」に対して「完全に勝利」するまで戦い続けるとして、人質交換を伴う停戦案を拒否し続けてきた。
しかし130人の兵士は書簡の中で、「多くの人質がイスラエル軍の攻撃で死亡しており、軍事作戦で救出された人質よりもはるかに多い」と主張。
その上で「政府がただちに方針を転換し、人質を帰国させるために(停戦)合意に至るよう努めなければ、我々は任務を続けることはできないだろう」と述べたという。
実際、兵士の中にはガザ地区での作戦において、「超えてはならない一線を越えた」者もおり、心が傷付き、もはや任務が遂行できない者もいるようだ。
130人の兵士からなるグループには、正規軍と予備役の両方が含まれており、その一部は昨年10月以来、イスラエル軍のガザ侵攻に従軍してきたと言われている。
イスラエル軍、ベイルート中心部を空爆
イスラエル軍は10月10日、レバノンの首都・ベイルートの中心部を数回にわたって空爆し、多くの犠牲者が出ている。
最初の空爆はベイルート中心部のRas al-Nabaa地区にある、8階建てのマンションの下部を直撃。2回目の空爆は、Burj Abi Haidar地区に対して行われ、建物全体が倒壊し、炎に包まれたという。
レバノンの保健省は、これらのイスラエル軍の空爆により、22人が殺害され、117人が負傷したと明らかにした。
イスラエル軍が国連平和維持軍に発砲
一方、イスラエル軍は10月9日と10日、レバノン南部で平和維持活動を行っていた国連レバノン暫定軍(Unifil)の基地へも攻撃を加え、これにより部隊の兵士2名が負傷した。
国連レバノン暫定軍によれば、イスラエル軍は10日、レバノン南部の町、Naquoraにある暫定軍本部の監視塔を戦車で攻撃したという。
これにより国連レバノン暫定軍の兵士、2名が監視塔から転落し、負傷したそうだ。また別の陣地(UNP 1-31)に対しても、イスラエル兵が発砲し、複数の車両と通信システムが破壊された。
9日にはイスラエル兵が、同じ陣地にあるカメラに向け、小火器を発砲。また別の町、Labunehにある国連レバノン暫定軍の陣地にも発砲し、照明と無線中継局に損害を与えたという。
国連平和維持活動の責任者であるJean-Pierre Lacroix氏は、ニューヨークの国連安全保障理事会で発言し、イスラエル軍の砲撃を激しく非難した。(了)
出典元:The Guardian:Middle East crisis live: at least 22 people killed in Israeli strike on Beirut, Lebanese health ministry says(10/10)
出典元:MailOnline:More than 100 soldiers say Netanyahu has ‘crossed a red line’ and they will stop fighting if he continues the war in Gaza, Israeli newspaper claims(10/9)