イーロン・マスクがドイツの極右政党を支持、多くの怒りを呼び起こす
アメリカ人のイーロン・マスク氏が、ドイツの極右政党を支持する投稿をし、人々から批判を浴びている。
「ドイツを救えるのはAfDだけ」
イーロン・マスク氏は自身のSNS「X」において、「ドイツを救えるのはAfD(ドイツのための選択肢)だけだ」と投稿した。
「AfD(ドイツのための選択肢)」とは、反移民を掲げたドイツの極右政党で、国内の諜報機関により構成員が右翼過激派に分類されているという。
しかも今年の5月、「AfD」の幹部は、「ナチス親衛隊の全員が犯罪者ではない」と発言。これを受け、欧州議会の極右連合からも除名された。
マスク氏は、「AfD」の投稿で、ドイツの右翼インフルエンサー、ナオミ・ザイプトさんの動画をシェア。動画においてザイプトさんは、次期ドイツ首相になる可能性が最も高い、「キリスト教民主同盟」の党首・フリードリヒ・メルツ氏を批判した。
Only the AfD can save Germany https://t.co/Afu0ea1Fvt
— Elon Musk (@elonmusk) December 20, 2024
ドイツでは来年2月に総選挙
ドイツではオラフ・ショルツ首相の中道左派連合が崩壊したことを受け、来年2月23日に連邦議会選挙が行われる予定で、主流政党は国家レベルで「AfD」との協力を拒否すると明言している。
しかし現時点の世論調査では、1位が「キリスト教民主・社会同盟」で、「AfD」は2位につけている。
「キリスト教民主同盟」の政治家であるElmar Brok氏は、今回のマスク氏の投稿に対し、「アメリカのハイテク王たちの世界征服の幻想」と批判したという。
またカール・ローターバッハ保健相は、総選挙の数週間前にドイツの政治討論に介入しようとするマスク氏の態度は「品位に欠け、非常に問題がある」と指摘。さらに、ドイツ当局に対し、「X社の動向を注意深く監視する」よう求め、次のように述べた。
「Xが、マスク氏の政治的立場や目標を広めるために、ますます利用されているのは、非常に憂慮すべきことだ」(了)
出典元:The Guardian:Outrage as Elon Musk claims ‘only AfD can save Germany’(12/20)