【ロサンゼルス火災】、民間の消防士を雇った富豪に、非難が殺到
大きな被害を出したロサンゼルスの山火事で、富豪が民間の消防会社を雇ったとして、怒りが広がっているという。
パリセーズに無傷で残った建物
1月7日に始まったロサンゼルスの山火事では、数万戸の家が全焼したと言われている。
しかし被害が大きかったパリセーズの町では、数多くの家や建物が瓦礫と化す中で、無傷でそびえ立っている建物もあるという。
その建物が、億万長者の不動産開発業者で、元共和党市長候補だったリック・カルーソ氏が所有する、屋外モール「パリセーズ・ビレッジ」だとされている。
火災当時、カルーソ氏は民間の消防士を雇い、「パリセーズ・ビレッジ」には3000ガロンの水を積んだ民間の給水車が数台投入され、迫りくる火災を防いだそうだ。
ABCニュースによれば、何千人もの人々が家を失う中で、富豪が民間の消防会社を雇ったことは怒りを巻き起こしており、人々の生活の大きな格差の象徴になっているという。
SNSに投稿した富豪に批判
実は、民間の消防士のほとんどは、個人の顧客にサービスを提供するために働いているわけではない。
ほとんどの場合、民間の消防会社は政府と契約して地元の消防隊を支援したり、保険会社と契約して、被害の回避に努めたりしている。
しかし、民間の消防会社の中には個人にサービスを提供している企業もあり、その存在が世間の注目を集めるようになるにつれ、多くの人々に衝撃と怒りを与えているという。
不動産投資家のキース・ワッサーマン氏は1月7日、SNSの「X」に「誰か、自宅を守るために民間の消防士を呼べる人はいませんか?急いで行動する必要があります。近隣の家が全部燃えています。いくらでも払います」と投稿。
しかしこの投稿は人々の怒りを買い、ユーザーからワッサーマン氏は世間知らずだと非難され、その後彼はアカウントを削除したという。
費用は1日に数千ドルか?
今回の山火事で、どのくらいの数の民間の消防士が、個人の家を守るため動員されたのかは、明らかになっていない。ただ実際、山火事が起きた場合、民間の人材を雇用したいという土地所有者からの電話が数多くかかってくるそうだ。
また価格も公表されていないが、雇った場合、1日に数千ドルかかるとの見方も出ている。
ただやはり、深刻な山火事の際に民間の消防士を雇うことは「極めて危険」であり、公的な消防士の任務の邪魔になる可能性もあるという。(了)
出典元:ABC News:Private firefighters spark controversy amid devastating LA fires(1/15)