イスラエル軍がガザ地区南部に激しい攻撃、40人以上のパレスチナ人を殺害

地上侵攻を開始したイスラエル軍は、主にガザ地区南部へ激しい攻撃を加え、数多くのパレスチナ人が殺害された。
南部の病院を攻撃、難民キャンプを包囲
3月23日、イスラエル軍はガザ地区南部、ハンユニスの西側にある「アル・マワシ」地区を空爆。これにより「ハマス」の政治局の幹部、Salah al-Bardawil氏とその妻を殺害した。
またイスラエル軍は、ハンユニスにあるナセル病院内の外科施設を攻撃。これにより大規模な火災が発生し、その後鎮火したものの、2人のパレスチナ人が死亡、8人が負傷した。
Images from the Israeli attack on Nasser Hospital in Khan Younis tonight. pic.twitter.com/Ij2eXF7irW
— Hamdah Salhut (@hamdahsalhut) March 23, 2025
南部の都市、ラファでもイスラエル軍による空爆が行われ、医療関係者の最新の情報によれば、23日だけで46人のパレスチナ人が殺害されたという。死亡した人の中には、女性や子供も数人含まれているそうだ。
さらにイスラエル軍は、ラファにあるタル・アル・スルタン難民キャンプを包囲。ラファ市西部の地域で暮らすパレスチナ人に対し、新たな避難命令を出した。
この避難命令では車での移動を禁止しているため、数多くのパレスチナ人が徒歩での避難を余儀なくされている。
Israel has killed senior Hamas official Salah al-Bardawil and his family in an air attack that targeted his tent in Gaza’s Khan Younis. More than 50,000 Palestinians have now been killed in Israel’s genocide. pic.twitter.com/8ReZkExXOd
— Al Jazeera English (@AJEnglish) March 23, 2025
ガザ地区で栄養失調が拡大
このような状況の中、医療従事者や支援団体などは、ガザ地区で栄養失調が広がっていると警告している。
すでにイスラエル側は、ガザ地区に人道支援物資が搬入されるのを阻止しており、食糧や燃料、医薬品なども不足しているという。
国連の世界食糧計画が運営している23軒のパン屋のうち、すでに6軒が調理用ガスの不足により閉鎖されており、「UNRWA」も3月21日時点で、6万袋の小麦、つまりわずか6日分の配給量しかないと明らかにした。
ガザ地区に駐在する国連職員も「いつかは物資が尽きて、状況は絶望的になるだろう。だが、たとえ物資があったとしても、安全環境のせいで活動できないため、配布するのは非常に難しいだろう」と述べている。
イスラエルのメディアは、新たな攻撃の目的が、イスラエル政府の掲げる2つの目標、つまり「ハマス」の壊滅と人質の奪還に限定されているかどうか、疑問視しているという。
米軍もイエメンを空爆
一方、アメリカ軍もイエメンを空爆し続けており、3月23日には西部のホデイダの空港と港、中央部のマリブ県、北部のSaada県を攻撃したという。
アメリカ軍は3月15日からイエメンの「フーシ派」支配地域への空爆を開始し、17日の記者会見では民間人の犠牲は出ていないと述べていた。
しかし「フーシ派」はこの空爆により、子供5人と女性2人を含む53人が死亡し、98人が負傷したとSNSに投稿している。(了)
出典元:The Guardian:Gaza medics issue malnutrition alert as total Israeli blockade enters fourth week(3/23)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel kills at least 46 in Gaza, prepares to send more troops(3/23)