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ガザ地区でイスラエル軍が救急隊員などを「1人ずつ射殺」、国連が非難

ガザ地区でイスラエル軍が救急隊員などを「1人ずつ射殺」、国連が非難
X_Jonathan Whittall

先日、ガザ地区南部で15名の救急隊員などの遺体が回収されたが、国連はイスラエル軍が彼らを虐殺したと非難した。

 

救急隊員と民間防衛隊員が行方不明

 

3月23日、ガザ地区南部のラファ市、テル・アル・スルタン地区で、任務に就いていたパレスチナ赤新月社(PRCS)の職員が行方不明になり、その後、赤新月社の救急隊員と民間防衛隊員が現場に急行したという。

 

しかしその日以来、救急隊員ら14人が行方不明となり、3月30日になって遺体が回収された。

 

この件について、国連人道問題調整事務所(OCHA)は、救急隊員らがイスラエル兵によって1人ずつ射殺され、その後集団墓地に埋められたと明らかにした。

 

イスラエル軍が遺体を埋める

 

国連人道問題調整事務所(OCHA)の代表、Jonathan Whittall氏は動画において、次のように述べた。

 

「救急隊員と民間防衛隊員は1人ずつ撃たれ、彼らの遺体は集められ、この集団墓地に埋められました。私たちは、制服を着て、手袋をはめた彼らを掘り出しました。彼らは人命を救うためにここにいたのですが、代わりに集団墓地に埋葬されてしまった。救急車も砂に埋もれていました。ここでは国連の車両も砂に埋もれていました。イスラエル軍のブルドーザーが彼らを埋めたのです」

 

遺体を回収したパレスチナ赤新月社(PRCS)の関係者も、死者のうち1人の遺体が両手を縛られた状態で発見されたことから、少なくとも1人が拘束され、殺害された証拠があると述べている。

 

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長も、ラファで発見された遺体の中に、UNRWAの職員の1人が含まれていたとし、次のように非難した。

 

「ラファで殺害された私たちの仲間の遺体が、昨日(3月30日)、パレスチナ赤新月社の救助隊員らの遺体とともに回収された。彼らは全員、浅い墓に捨てられていた。人間の尊厳に対する重大な侵害だ!」

 

イスラエル軍も攻撃を認める

 

イスラエル軍も、救急車両に対する攻撃を認めているが、「車両は、ヘッドライトや緊急信号なしで、不審な様子のまま、イスラエル軍の部隊に向かって進んできた」と主張。

 

またこの地域は「戦闘中」だったとし、車両の移動がイスラエル軍と事前に調整されていなかったと述べたという。

 

一方、パレスチナ赤新月社は、ラファのテル・アル・スルタン地区が当時、安全とみなされており、そこでの移動は通常のもので、「調整を必要としなかった」と述べている。

 

ガザ地区全域に避難命令

 

イスラエル軍は31日、ガザ地区のパレスチナ人全員に退避命令を出し、南部ハンユニス近郊のアル・マワシ地区への避難を命じたという。

 

人々は車や徒歩で移動し始めたが、退避命令から数時間後に、イスラエル軍は南部のラファを攻撃。これにより2人のパレスチナ人が殺害された。

 

またイスラエル当局者によれば、軍はガザ地区での地上作戦を拡大し、今後2~3週間で25%を占領して、「ハマス」に残りの人質の解放を迫るつもりだという。

 

イスラエル側は、この作戦が、「ハマス」に対し最大限の圧力を加えるためのものと主張しているが、今後ガザ地区から多くのパレスチナ人が強制的に排除される可能性があるとも言われている。(了)

 

出典元:The Guardian:Israel killed 15 Palestinian paramedics and rescue workers one by one, says UN(3/31)

出典元:Aljazeera:LIVE: Palestinians flee Rafah as Israel renews assault on south Gaza city(3/31)

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