ガザ地区でイスラエル軍が9人の子供を殺害、全域で79人のパレスチナ人が死亡

イスラエル軍はガザ地区南部で、医師の子供9人を殺害し、非難の声が上がっている。
79人の遺体が病院に運ばれる
イスラエル軍は5月23日、ガザ地区南部のハンユニス在住の医師、Alaa al-Najjarさんの家を攻撃。家が炎上し、10人の子供のうち9人が死亡した。
小児科医のal-Najjarさんは当時、南部にあるナセル病院に勤務しており、この攻撃で家族のほぼ全員を失ったという。
ガザ地区のメディア局は、この攻撃の内容を伝え、人々の間に恐怖と怒りが広がっているそうだ。
国連のパレスチナ自治区担当特別報告者、フランチェスカ・アルバネーゼ氏も、この攻撃を非難。「パレスチナ人が直面している、新たなジェノサイドの局面における、サディスティックなパターンの一部だ」と述べたという。
また24日には、以前安全地帯に指定されていたガザ地区南部のアル・マワシ地区でも、イスラエル軍の攻撃が行われ、7人のパレスチナ人が死亡し、数十人が負傷した。
ガザ地区北部のガザ市にあるトゥッファ地区でも、イスラエル軍の空爆があり、4人が死亡、多数が負傷した。
ガザ地区の保健当局によれば、24日には過去24時間で、少なくとも79人の遺体がガザ地区全域の病院に搬送され、211人のパレスチナ人が負傷したという。
イスラエルが支援を管理するのは危険
支援物資の状況だが、アメリカ政府が主導している「ガザ人道財団(基金)」による支援物資の搬入は、当初5月25日から開始される予定だったが、物流上の理由により26日か27日に延期されたという。
そしてイスラエル政府は、ガザ地区で活動する国連などの支援団体に、食糧以外の支援は引き続き委託する一方、食糧の配布は新たに設立されたアメリカ主導の支援団体に委託することを検討しているという。
しかしノルウェーの難民評議会は、イスラエルがガザ地区北部へ支援物資を届けていないのは、住民を強制移住させようとしているためだとし、イスラエルによる支援物資の管理は「危険」だと批判。難民評議会のAhmed Bayram報道官は、次のように述べた。
「全ての地域ではなく、特定の地域に重点的に支援物資を提供することは、人々を強制的に避難させるための強圧的な手段だと考えています。(略)イスラエルによる支援物資のコントロールは危険であり、同盟国は受け入れるべきではありません」
世界食糧計画(WFP)によると、イスラエルはガザ地区への支援物資の搬入をごく微量しか許可しておらず、ガザ地区の7万人以上の子供たちが深刻な栄養失調に陥っているという。(了)
Doctors at the Nasser Hospital in Gaza are overwhelmed by a surge in the number of malnourished babies and children in urgent need of life-saving treatment.
Israel’s months-long blockade has left medicine, food, and baby formula critically scarce. pic.twitter.com/VuL1CoH5FY
— Al Jazeera English (@AJEnglish) May 24, 2025
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel kills Palestinians in Gaza ‘safe zone’ as famine fears rise(5/24)