イスラエル兵、「ガザ人道財団」の配給所で発砲、27人のパレスチナ人を殺害

イスラエル兵は、「ガザ人道財団」の配給所で、食糧を求めて集まっているパレスチナ人に発砲し、数多くの人々を殺害した。
27人が死亡、90人以上が負傷
ガザ地区の保健当局によれば、イスラエル軍は6月3日の早朝、南部のラファにある「ガザ人道財団」の配給所で、集まっていたパレスチナ人に向けて、再び発砲したという。
この銃撃で、少なくとも27人のパレスチナ人が死亡、90人以上が負傷したそうだ。
ガザ地区のメディア局は、イスラエルが「意図的に恐るべき犯罪を繰り返している」と非難。飢餓に苦しむパレスチナ人を、「ガザ人道財団」が運営する支援センターに誘い込み、過去8日間で102人を殺害したと述べた。
国連事務総長の報道官であるStephane Dujarric氏は、多くのパレスチナ人が食料を得るために、命を危険にさらしていると非難。次のように述べた。
「私たちはガザ地区で、想像を絶するほどの人命損失を目撃している。イスラエル軍はここ数日、支援物資配布施設付近で数十人のパレスチナ人を射殺している。事務総長は、これらの事件について即時かつ独立した調査を行い、加害者を責任追及するよう引き続き求めている」
「ガザ人道財団」に新たな責任者
アメリカとイスラエルが支援している「ガザ人道財団」は、アメリカの福音派指導者であるジョニー・ムーア氏を新たな最高責任者に任命した。
ムーア氏は、ガザ地区からすべてのパレスチナ人を退去させ、同地区を「中東のリビエラ」にするというトランプ大統領の計画を称賛した人物とされている。
この任命により「ガザ人道財団」が、パレスチナ人を強制退去させる手段として利用されるのではないか、との懸念が高まっている。
シリアからロケット弾が発射
イスラエル軍は6月3日、シリアから占領しているゴラン高原に向けて、ロケット弾2発が飛来したと明らかにした。
シリアからの攻撃は、アサド前大統領が失脚してから初めてとされ、この攻撃の後、イスラエル軍はシリア領西部のダラアの町を砲撃したという。
また6月3日には、イエメンの「フーシ派」からもミサイルが発射され、イスラエルの都市、テルアビブやエルサレムでは警報が発令され、サイレンが鳴り響いたそうだ。
その後、イスラエル軍はこれらのミサイルが、防衛システムにより迎撃されたと発表した。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel targets ‘heads, chests’ of Gaza aid seekers in mass shooting(6/3)