ガザ地区でイスラエル軍の攻撃により、102人のパレスチナ人が死亡

イスラエル軍は7月1日にも、ガザ地区に激しい攻撃を加え、さらなる地上侵攻の恐れが高まっている。
「ガザ人道財団」の配給所で16人が死亡
ガザ地区の医療関係者によれば、アメリカとイスラエルが支援する「ガザ人道財団(GHF)」の配給拠点で、イスラエル軍が群衆を攻撃し、16人のパレスチナ人が殺害されたという。
すでに「ガザ人道財団」の配給所付近では、約600人がイスラエル兵に殺害されており、170を超える主要な国際慈善団体やNGOは、「ガザ人道財団」の活動が国際原則に違反していると主張し、即時停止を求めている。
またイスラエル軍は、ガザ地区北部にも攻撃を仕掛け、クワッドコプターが人々の集まりを襲撃し、少なくとも5人が死亡したそうだ。
しかもイスラエル軍は、すでに爆撃で瓦礫と化した同地区の住民に対し、再び強制退去命令を出しており、人々は行き場を失っている。
国連によると、ガザ地区の少なくとも82%が現在、イスラエルの軍事エリアとなっているか、または強制的な避難の脅威にさらされているという。
イスラエル軍が140回以上攻撃
ガザ地区南部のハンユニスや、西部のアルマワシ地区では、民家の住宅が攻撃され、少なくとも12人のパレスチナ人が死亡した。
またイスラエル軍の空爆により避難キャンプが攻撃され、子供1人が死亡、数人が負傷したそうだ。
アルアウダ病院の関係者によると、ガザ中部のヌセイラト難民キャンプの西側でも、イスラエル軍の攻撃があり、さらに数人が死亡したという。
アルマガジ難民キャンプで避難民家族が暮らす国連運営の学校も攻撃され、2人が死亡、数人が負傷した。
イスラエル軍は7月1日に声明を発表し、過去24時間でガザ地区を140回以上攻撃したとし、攻撃を受けたのは全て「テロの標的」であり「過激派」だったと主張した。
ガザ地区の医療関係者によれば、7月1日には、少なくとも102人のパレスチナ人が、イスラエル軍の攻撃により殺害されたという。
「死の待合室」
一方、ガザ地区の病院も壊滅的な被害を受けており、医療物資と燃料の深刻な不足の中で、搬送される患者の対応に苦慮している。
アルジャジーラのハニ・マフムード記者は、イスラエル軍により幾度となく攻撃と包囲を受けてきたガザ市のアル・シファ病院の緊急医療サービスが、まもなく停止するだろうとし、次のように報告している。
「この病院はかつてガザ地区最大の医療施設だったが、戦争による傷だけでなく、あらゆる医療活動を支える燃料不足によって、徐々に死の待合室と化している」
またガザ地区の医者たちは、イスラエル軍の封鎖により、粉ミルクが枯渇しており、今後数千人の乳児が死亡する可能性があると警告している。
来週の停戦合意に期待
アメリカのトランプ大統領は、ガザ地区での停戦について、イスラエルのネタニヤフ首相に対し「非常に断固とした態度」で臨むと表明した。
またトランプ氏は、ネタニヤフ首相がホワイトハウスを訪問する「来週中」に、停戦合意が成立することを期待しているとも述べたという。
すでにネタニヤフ首相の側近であるロン・デルマー戦略担当相は、今週ワシントンD.C.を訪れ、ガザ停戦、イラン問題、その他の問題についてアメリカの高官らと協議している。
「ハマス」の幹部であるSami Abu Zuhri氏は、停滞している停戦交渉を打開するには、トランプ大統領によるイスラエルへの圧力が鍵になると述べた。
しかしネタニヤフ首相は、これまで一度も紛争終結への意思を示していない。(了)
出典元:Aljazeera:Israel kills 102 in Gaza as Trump says he will be ‘firm’ with Netanyahu(7/1)