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地元で語り継がれる“丘陵地の幽霊”が世界で初めて撮影される――その正体は?

地元で語り継がれる“丘陵地の幽霊”が世界で初めて撮影される――その正体は?
angeliyo_o/Instagram

スペインのハエン山脈で、神秘的な生き物が世界で初めて撮影された。

 

白いイベリアオオヤマネコ

 

その神秘的な生き物の映像が、こちらだ。

 

 

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自然写真家アンヘル・イダルゴ氏が撮影した映像には、白い毛並みを持つオオヤマネコの姿が映っており、貫録を感じさせる姿でカメラを見つめている。この生物は、イベリア半島にのみ生息する希少なイベリアオオヤマネコ(Lynx pardinus)で、耳の房毛と顎ひげ、斑点模様が特徴的だ。

 

撮影地は動物の保護のため、公開されていない。

 

白変種の個体か

 

本来、イベリアオオヤマネコの毛並みは白ではなく、こちらの映像のように茶色い毛並みだ。

 

 

専門家によると、この動物は白変種(リューシズム)であるとのこと。色素が完全に欠如して、黒目が赤くなるアルビノとは異なり、色素が部分的に欠ける珍しい遺伝的状態だ。目の色が正常で、今回の個体のように全身が真っ白ではないことが多い。

 

撮影したイダルゴ氏は、「自然が本当に特別なものを与えてくれました」とコメントしている。

 

その姿が撮影されたのは今回が初めてだが、この地域の住民たちは昔から白いオオヤマネコを神秘的な存在として、「丘陵地の幽霊」と地元で語り継いできたという。

 

絶滅の危機からの回復

 

イベリアオオヤマネコは、ロードキル(交通事故死)、違法なハンティングや密猟、主食となるアナウサギの激減などの脅威にさらされ、2002年には成獣の個体数がわずか52頭まで減少して絶滅寸前となった。

 

しかし、生息地の拡大や密猟撲滅などの保護活動により、2024年には2000頭を超えるまで増加した。

 

伝説からよみがえったこの白変種の個体も、長年の保護活動によって種に遺伝的多様性が戻ってきたことを示すものであり、種の保全にとって希望の兆しだと考えられている。(了)

 

出典:India Today「Spain lynx anomaly: Leucistic Iberian lynx photographed in Jaen mountains」(10/30)

出典:WWF「世界ネコの日: やったぞ、イベリアオオヤマネコ !」(2024/8/8)

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