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映画『タイタニック』（1997年）の中でサイドストーリーとして描かれた実在の老夫婦。その夫が所有していた懐中時計がオークションに出品され、歴史的な高値で落札された。

救命艇の席を他人に譲る

178万ポンド（約3億6500万円）の値がついたその懐中時計は18金製、スイスの老舗ブランド「ジュール·ヤーゲンセン」のものだ。

所有者は、ファーストクラスに乗船していた米百貨店メーシーズの経営者、イジドー·ストラウス氏。彼とその妻アイダさんは、映画『タイタニック』の中で、手を握り合いながら沈没船に残る老夫婦として描かれている。

2人は老齢であり、お金持ちという身分でもあったため、救命艇に優先的に乗せてもらえることになったのだが、ストラウス氏はそれを断って船に残り、他の客を先に乗せた。妻のアイダさんも夫のそばを離れず、2人は手を握り合って運命を受け入れる。

タイタニック号の沈没で死亡したファーストクラスの乗客はストラウス夫妻の他にもいたが、その数は非常に少なかったそうだ。

ストラウス氏の遺体が発見されてから、彼が身に付けていた物が回収され、遺族に引き渡された。そのうちの1つが今回オークションに出品された懐中時計だ。

ちなみにこの時計は、ストラウス氏が百貨店メーシーズの共同経営者となった1888年の誕生日に贈られた物。

タイタニック号関連のオークションで最高額

今回のオークションはイギリス·ウィルトシャーのオークションハウス「Henry Aldridge & Son Auctioneers」で行われた。178万ポンドという落札価格は、これまでのタイタニック号関連のオークション品の中で最高額だという。

また今回のオークションには、妻のアイダさんがタイタニック号から送った手紙も出品され、10万ポンド（約2000万円）で落札された。（了）

出典元：sky news:Titanic couple’s pocket watch sells for record £1.78m(11/23)
出典元：Bazaar:あの老夫婦は実在した！実話に基づいた映画『タイタニック』のラブストーリー(2023/6/30）
出典元：the saleroom:Auction of Titanic, White Star, Transport and Icons of the 20th Century(11/22)