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早くも「中年の危機」を感じる十数万人の29才が、中国のSNSで悩みを訴えている

早くも「中年の危機」を感じる十数万人の29才が、中国のSNSで悩みを訴えている
写真AC

人生の転換期となる40歳前後から50代前半に感じる、独特の不安や焦燥感、危機感などを、まとめて「中年の危機(ミッドライフ・クライシス)」と呼ぶことがある。

 

普通なら中年になって感じるはずの「中年の危機」。ところが、中国では事情が違うようだ。

 

最近、中国版ツイッター「Weibo(微博)」に、人生への危機感を抱く20代後半の人たちの悲痛な叫びがわき起こり、海外メディアの注目を集めている。

 

30才を目前にした14万人の嘆き

 

きっかけは、Weiboのあるユーザーが、「1990年代に生まれた人の一部は、もうすぐ30才になる」と投稿したこと。

 

「90年代生まれの最初の一団が、30に向けてカウントダウン」というタイトルのその投稿は、先週、Weiboのトレンドにランクイン。閲覧回数なんと6億回、14万4000のコメントがついたと海外メディアが報じている。

 

コメントを付けた人の中には、CX Manというハンドル名のジャーナリスト/有名ブロガーがいる。1990年5月生まれの彼は、「最近のたった2年で、エネルギーに溢れたティーンエイジャーから、太った中年に変わってしまった気がする」と言う。

 

彼の世代は、中国の一人っ子政策のせいで兄弟がいない。それで子供の頃からずっと淋しさを感じていた、と彼は書いている。また、土地の価格が高騰していることも、人生の危機感を煽っているらしい。彼のこんなコメントがメディアに引用されている。

 

今になって(中国政府は)、子供をたくさん作るように推奨している。けれど、誰が敢えて子供を作るのか? 自分が生活するのも困難ではないか。あと数年は必死に働かなければいけないというのに。

 

また、1990年6月生まれの男優・陈学冬(Chen Xuedong)さんは、Weiboで「誰かにカウントダウンしてもらう必要がどこにある? 自分が一番よく分かっているのに」と嘆き、ファンから24,270件の励ましのコメントをもらっている。

 

90年代生まれの恐怖

 

Weiboのこのトレンドの中で、「90年代生まれの恐怖」という別の投稿にも注目が集まり、そこから話題がさらに発展した。

 

800万人近いフォロワーを持つ人気の女性ブロガー・Cheng Nan You Juさんは、30歳を前にした精神的苦痛について、こんなふうに書いている。

 

今年になって年齢を感じ始めた。新しい物事にあまり興味を覚えなくなり、むしろそういうものを避けるようになった。

人と接することも大変になってきている。社会に出るより家にいて、ネットサーフィンをしていたい。

自分の人生は何千もの可能性に溢れている、と昔は思っていた。今願うのは、落ち着いて穏やかに暮らすことだ。

(そう思った時)私は、「中年の危機」に直面していることを自覚した。

 

90年代生まれの人たちが抱くこうした危機感は、実は数年前から話題になっている。

 

中国の国営通信社「新華社」が2017年に行ったアンケートによれば、低収入、適正な価値観の欠如、職場での過剰なプレッシャーが、彼らの中に「中年の危機」と同様の不安感を呼び起こしているという。(了)

 

引用元:Mail Online:Millions of 29-year-olds take to the internet to complain about having a MIDLIFE CRISIS because they worry about turning 30(12/6)

引用元:Global Times:Pre-midlife cry-sis: Chinese in their 30s despair over life(2017/11/20)

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