香港警察が民主派の活動家や弁護士、メディア経営者など14人を逮捕

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先日、香港で多くの民主派の活動家らが警察に逮捕され、欧米の多くのメディアが報じている。

弁護士や活動家、議員など14人

香港警察は4月18日、民主派の弁護士や活動家、大手メディアの経営者など14人を逮捕したという。（15人という報道もある）

逮捕容疑は、昨年香港政府に改革を求める、違法なデモに参加したこととされている。

逮捕された人の中には、「香港民主派の父」と呼ばれる活動家で、前立法会議員のMartin Lee （李柱銘）氏（81歳）や、民主化を唱え続けてきたAlbert Ho氏やLee Cheuk-yan氏、Au Nok-hin氏も含まれているそうだ。

また警察は、地方新聞「蘋果日報（Apple Daily）」などを創刊したJimmy Lai （黎智英）氏も逮捕した。

すでに今年の2月に起訴される

Jimmy Lai氏とLee Cheuk-yan氏、Yeung Sum氏（民主党の前立法会議員）は、昨年8月31日に行われた大規模な反政府デモに関与した容疑で、すでに今年の2月には起訴されていたという。

そのデモは、中国本土に容疑者の身柄を引き渡すことを定めた「逃亡犯条例」に反対するもので、北京政府と香港の人々との溝の深さを露呈させることとなった。

条例はその後、撤回されたが、それ以降も行政長官選や立法会選での普通選挙の実現や、警察の暴力に関して独立調査委員会を設けることなどを訴える市民によって、平和的なデモが続けられた。

ただ香港のキャリー・ラム行政長官は市民の訴えを無視。この結果、不満を抱えたデモ隊の一部が過激な行動に出る場面も見受けられた。

米英は懸念を表明

今回の逮捕に対し、アメリカのポンペオ国務長官は声明で「中国政府は透明性や法の支配、高度な自治を保障した中英共同宣言の約束と矛盾した行動をとり続けている」と非難。

バー米司法長官も「中国共産党が信用できないことを改めて示した」と述べ、イギリス外務省も懸念を表明したという。

ポンペオ氏はツイッターに「香港における民主派の活動家の逮捕を、深く懸念している。政治的な法の執行は表現や結社、平和的な集会の自由という普遍的な価値に反している」と投稿。バー氏は「中国共産党の価値観が西側の自由民主主義とどれほど正反対か示すものだ」とこき下ろした。

Arrests of pro-democracy activists in Hong Kong are deeply concerning – politicized law enforcement is inconsistent with universal values of freedom of expression, association, and peaceful assembly.

— Secretary Pompeo (@SecPompeo) April 18, 2020

中国外務省の香港代表部はこうした批判に全面的に反論する声明を発表し「（逮捕は）道理にかなった合法なもので、外国には干渉する権利はない」と強調。無許可の集会を「平和的な抗議」とみなすのは「真実をゆがめている」とも指摘した。

香港の議員や活動家もコメント

民主派議員の毛孟静（Claudia Mo）氏は18日、香港政府が「恐怖政治を取り入れることに注力している」と指摘。「彼らは、黙らせるため、住民の反対を取り払うため、できることなら何でもやっている。だがその時われわれは、団結し立ち上がる」と述べた。

また一連の大規模デモを主催した民主派団体代表の岑子傑氏は18日、フェイスブックへの投稿で「大規模な逮捕劇は香港の人々の尊厳と権利を踏みにじる暴挙だ」と批判している。

さらに活動家の周庭さんもツイッターで次のように報告し、香港警察の実態を訴えている。

去年逮捕され、木曜日に4回目の裁判がありました。警察は私達の「犯罪証拠」を捜すために、私のGoogle Pixelと@joshuawongcfのiPhoneをハッキングし、彼のチャット記録を証拠として提出。さらに、令状を取ってFacebook香港事務所から、デモ当時の私のページの投稿のIPやアカウント記録を取ろうとした。 pic.twitter.com/7c8JQfb5l6

— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) April 19, 2020