マスクをしたチンパンジーが園内を消毒?タイの動物園、新型コロナ対応めぐり炎上
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、世界各国では多くの施設が休業状態に陥っているが、たとえ休業の最中であっても動物園における消毒の徹底は不可欠だ。
そんな中、タイの動物園が人ではなくチンパンジーに園内の消毒をさせているとして大炎上している。
マスクを身に着け自転車で園内を消毒…
人間の代わりにチンパンジーに園内の消毒をさせているとして炎上しているのは、タイ中部サムットプラーカーン県に位置する、ワニを中心とした動物園「サムットプラカーン クロコダイルファーム&ズー」だ。
炎上状態となっているのはデニムパンツとオレンジのアロハシャツ、そして医療用マスクを身に着けたチンパンジーが子供用自転車に乗り、背中に背負った消毒液が入ったタンクを用いて園内を消毒する姿を写した映像だ。
チンパンジーの乗る自転車には紐が取り付けられており、園の従業員とみられる男性がフラつく自転車を支えるため紐を持ち横を歩いている姿も見受けられる。
また自転車に乗る前の様子を見ると、普段チンパンジーは木製の椅子のようなものに鎖でつながれている模様。チンパンジーの哀れな日常の姿が伝わってくる。
動物愛護団体は非難、園側は釈明
この映像が注目されることで、米国の動物権利保護団体PETAも反応。
同団体の広報・Nirali Shah氏は、「サムットプラカーン クロコダイルファーム&ズーのような場所は悪の巣窟であり、このチンパンジーのような動物達は囚われの身で哀れな生活を日々耐えている」と糾弾。
さらに日常的な虐待の可能性を訴えた。
しかしこの件についてはサムットプラカーン クロコダイルファーム&ズーの園長Uthen Yangpraphakorn氏も釈明を行っている。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う厳しい外出制限措置の中、同園も閉鎖されていることを前置きしつつ、Yangpraphakorn氏は「政府が園の再開を許可した場合に備え週に2~3回園内を掃除しており、我々は再び客を迎え始める準備が出来ている」とコメント。
さらに人ではなくチンパンジーに消毒をさせた理由について、「件のチンパンジーは飼育場で訓練されており、我々はこの活動的ではない期間において彼が手足をストレッチ出来るよう外へと連れ出した」としている。
動物園ではこれまでにも動物虐待が発生
一方、サムットプラカーン クロコダイルファーム&ズーが動物虐待で批判を受けるのは、今回が初めてではない。
昨年には動物愛護団体により、園の動物が竹の棒で叩かれる様子を含む、より深刻な動物虐待の実態が報告されている。
さらに昨年12月には痛々しいほどまでに痩せ細ったゾウが観客に向けて芸を披露する姿も伝えられ、人々の怒りを買うこととなった。
それだけではなく、園内の“アトラクション”では痩せたゾウが虐待される様子や不潔なプール内のクマが神経質に前後に身体を揺らす様子、栄養失調に陥っているとみられるワニの姿などが目撃されていることも伝えられている。
チンパンジーに園内の消毒を強いていたことが明るみに出た、サムットプラカーン クロコダイルファーム&ズー。同園の調査が行われ、動物達が虐待を受けることなくより良い環境で暮らせる日が訪れることを願うばかりだ。(了)
出典:The Sun:World’s worst zoo forces chimpanzee to ride a bike while spraying anti-coronavirus disinfectant(4/15)
出典:Daily Mail:Zoo sparks fury after making chimpanzee in a face mask ride a bicycle while spraying coronavirus sanitizer in Thailand(4/15)