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ルーマニアの町長選挙、死亡した候補が圧倒的多数で当選

ルーマニアの町長選挙、死亡した候補が圧倒的多数で当選
写真AC

ルーマニア南部の小さな町で、町長候補が死亡したにもかかわらず、選挙で勝利してしまうという珍事があった。

 

選挙の10日前に死亡

 

ルーマニア・オルト郡にある人口3000人の町デベセル(Deveselu)。ここで9月27日、町長選が行われた。

 

3期目の当選を狙うIon Aliman前町長も候補の1人だったが、新型コロナウイルスに感染。そこからの併発症がもとで、投票日の10日前に亡くなってしまった。

 

ところが、選挙結果はAliman前町長の圧勝。有効投票数1600のうち1057票がAliman氏に入れられていた、と海外メディアは報じている。

 

本来ならば、死亡した候補者は候補から外されるべきだが、Aliman氏の名前はすでに他の候補者と共に投票用紙に印刷されており、刷り直す時間がなかったとのこと。

 

現在デベセルの町長は、Aliman氏の側近が代理を務めている。近日中に再選挙が行われることになっている。

 

町長への敬意と信頼

 

住民は、前町長の死亡を知らずに投票したわけではない。投票日当日の夜には多くの支持者が彼の墓を訪れ、ロウソクに火を灯し、花を捧げた。墓の前で「あなたの勝利ですよ」「あなたは私たちの誇りです」「天上のどこかでこれを見ていることでしょう」と呟く人がいたことを、現地メディアが伝えている。

 

Aliman前町長は、住民からの信頼と尊敬を集めていたようだ。彼に投票したある女性は、メディアの取材にこう応えている。

 

私たちにとって、彼は本物の町長でした。いつも住民の側に立っていました。また、どんな法律をも遵守していました。これから先、あれだけの町長が出て来るとは思えません。

 

海軍出身のAliman氏は、中道左派の社会民主党(Partidul Social Democrat)に属していた。選挙の当日は、生きていれば57才の誕生日だった。

 

メディアによれば、ルーマニアの新型コロナウイルスによる死亡者数は、今年2月からの累計で4748人。EUに加盟する東欧諸国の中で死亡率は最悪だそう。(了)

 

出典元:AP News:Romanian villagers re-elect mayor despite his COVID-19 death(9/28)

出典元:CNN:Romanian mayor Ion Aliman re-elected after death from coronavirus(9/29)

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