山で道に迷ったハイカー、45分間心臓が停止するも、その後蘇生
アメリカの国立公園を登っていたハイカーの男性が、長い間心臓が止まっていたにもかかわらず、生き返ったとして注目を集めている。
病院に到着後に心停止
そのハイカーとは、Michael Knapinskiさん(45)。彼は先週末、レーニア山(高さ4392m)に登っている途中、気温が低下した状況で、道に迷ってしまったという。
その後、Knapinskiさんは救助され、ヘリコプターでワシントン州のシアトルにある病院へ搬送されたそうだ。
病院に到着した時にはまだ脈があったのだが、その後心臓が停止。45分間も心臓が動かない状態が続いたという。
2日後に意識が戻る
病院のスタッフは、心臓が停止してからすぐにKnapinskiさんにCPR(心肺蘇生)を実施。またECMO(体外式人工肺)をセットして、彼の心臓や肺に二酸化炭素を取り除いた血液を送り込み、循環させたそうだ。
そして45分後、Knapinskiさんの心臓は再び動き始め、2日後には奇跡的に意識が回復したという。
Knapinskiさんは現在も回復を続けており、取材に対しても、自分がドラッグ中毒を克服し、ライフスタイルを変えるために山に登るようになったと語っている。
寒さが脳のダメージを防ぐ
しかし45分間も心臓が停止していたのに、なぜ死ななかったのだろうか。
BBCによれば、そもそも通常の気温で、非常に長く心臓が止まれば、脳がダメージを受けるため、生存する望みはほとんどないという。
ただ凍えるような気温の場合、脳や体は冷たさによって保護され、ダメージを受けるのを防ぐことがあるそうだ。
このような例は他にもあり、昨年冬には、ピレネー山脈を登っていた女性が6時間も心停止していたにも関わらず、その後蘇生したことが報じられている。当サイトでも記事にしているので、是非ご覧いただきたい。(了)
出典元:BBC:Hiker alive and well after ‘dying’ for 45 minutes(11/16)
出典元:GMA:Hiker who went missing in mountain in whiteout conditions ‘grateful’ to doctors who revived him(11/15)