ペルー政府の主要閣僚、抜け駆けして新型コロナワクチンを接種、次々と辞任
ペルー政府の主要な閣僚が、抜け駆けして新型コロナワクチンを接種していたことが明らかとなり、問題となっている。
前大統領、保健・外務大臣も辞任
南米のペルーでは2月8日から、医療従事者を対象に新型コロナワクチンの接種が開始された。
しかし昨年の10月、ペルーの前大統領であるMartin Vizcarra氏が、密かに中国企業「シノファーム」の新型コロナワクチンを接種していたことが発覚。
その数週間後には、道徳的にも大統領の資格がないとして弾劾され、辞任に追い込まれたという。
この報道を受け、先週にはPilar Mazzetti保健大臣が辞任。さらに2月14日にはElizabeth Astete外務大臣も、先月に医療従事者よりも先にワクチン接種していたとして、辞意を表明した。
Astete外務大臣は1月22日に臨床試験の「余剰分」から接種を受けたとしているが、「重大な間違いを犯したことを認識している。2度目の接種は受けない」と表明した。
#LoÚltimo
La canciller de Perú, Elizabeth Astete, renuncia salpicada por escándalo de vacunación a autoridades. 📸 https://t.co/Z60NRx4qlC
vía @AFPespanol pic.twitter.com/HaXzut5QrD— La Razón Digital (@LaRazon_Bolivia) February 15, 2021
治験ボランティアとして接種したと主張
前大統領のVizcarra氏は、現在議会選挙で戦っており、先週には自分と妻が臨床試験に参加するボランティアとしてワクチン接種を受けたと主張したという。そしてボランテイアは守秘義務を守らなければならなかったとして、「接種の事実を黙っていた」と述べた。
しかし2月14日には、「シノファーム」の臨床試験を主導してきたCayetano Heredia大学が、この主張を否定。前大統領が臨床試験におけるボランティアではなかったと明らかにした。
この大学の主張にVizcarra氏は驚きを示し、尚もボランティアとして接種したと主張。「行政上の過失や犯罪はなかった」とし、「自分の行動は国の敵によって悪用された」と述べたという。
またペルー議会のMirtha Vasquez議長もメディアに対して「危機のさなかに、官庁が個人の利益のために利用されることなど、ありえない」と擁護している。
この問題を受け、ペルーの司法長官であるZoraida Avalos氏は先日、元大統領や高官への早期予防接種を担当した他の人々に対して「予備調査」を開始したと述べている。(了)
出典元:METRO:Uproar in Peru as politicians ‘secretly given vaccine before health workers’(2/15)
出典元:REUTERS:Peru’s foreign minister resigns over coronavirus vaccine scandal(2/15)