全米大学バスケの女性軽視を露わにした動画で、ネット騒然
アメリカの大学女子バスケットボール選手が、メジャーな公式大会で目の当たりにした処遇の男女差を、TikTokとツイッターに投稿。女性軽視、と言うしかないあまりの違いに、多くのSNSユーザーが怒りの声を上げた。
NCAA公式大会の会場で
オレゴン大学女子バスケットボールチームでフォワードのポジションを務めるSedona Princeさんは、NCAA(全米大学体育協会)公式トーナメント戦の会場で、黙っていられないほど酷い光景を見た。
アメリカでは公式戦の会場に、選手たちが利用できるウエイトトレーニングの設備が用意されているのだが、男子バスケの会場と女子バスケの会場では、その差があまりに大きかった。男子の方は、広々とした部屋に様々なトレーニング機器が並んでいる。対して女子の方は、ガランとした狭い部屋に、ダンベルを載せたラックが1つあるだけ。
Princeさんはその現実を多くの人に知ってもらおうと、今月19日、動画をSNSに投稿した。その中で彼女はこう言っている。「皆さんに見せたいものがあります。大学女子バスケで最大の公式戦、NCAAの春のトーナメント戦で……これが私たちのトレーニングルームです」。そしてダンベルのラックを指し、「この問題に怒りをおぼえないなら、そういうあなたも問題です」。
下にあるのがその動画。ツイッターだけでも1500万回以上再生されている。
Oh and it’s women’s history month…. the irony. https://t.co/JD4mFqkwlD
— Sedona Prince (@sedonaprince_) March 19, 2021
動画からトレーニングルームの光景だけを切り抜いた画像も、ネット上に出回っている。左が女子用、右が男子用。
WBB NCAA tournament weight room vs.
MBB NCAA tournament weight roomA lot is wrong here. pic.twitter.com/iAxB4zrrSf
— Malorie Henderlong (@14malorie) March 18, 2021
NCAAの対応
海外メディアによれば、Princeさんの動画は大きな反響を呼び、ツイッター上にはプロバスケ選手や政治家からも「酷すぎる」という声が上がったそう。
NCAAはそれを受け、「大急ぎで」女子会場のトレーニングルームをマシンで充実させたと報じられている。
マーク・エマート(Mark Emmert)NCAA会長は、女子トレーニングルームの貧弱さについて謝罪したものの、なぜ最初から同等の設備にしなかったかについては説明していないとのこと。
女子大学バスケのコーチとして有名なDawn Staleyさんは、「ダンベルやマシンの数が問題ではなく、女子選手にも男子選手同様の設備を、と最初から考えないNCAAが問題なのだ」と言っている。(了)
出典元:The IndianExpress:‘Outrageous’: Viral video exposes gender inequality in US college basketball, triggers uproar online(3/21)
出典元:New York Post:Woman’s NCAA basketball players get weight room after players call foul(3/21)