「事態は悪化するだろう」米・ファウチ所長が今後の感染状況について警告
アメリカの国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長が、ABCの番組のインタビューに応じ、今後の見通しを述べた。
「ロックダウンはないと思う」
ファウチ所長は8月1日、ABCの番組「This Week」に出演。インタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染状況について、今後の予想を述べた。
ファウチ所長は「昨年のようなロックダウンはないとは思うが、事態はさらに悪くなっていくだろう」とした上で、次のように語ったという。
「(新型コロナの)症例数の加速を見ると、7日間の平均値は大幅に上昇しています。(略)この国には、ワクチンを受ける資格があるのに受けていない人が1億人います。ワクチンを接種していない人たちが大発生しているのです。病気、入院、苦痛、死という観点から見ると、ワクチンを受けていない人の方がはるかに脆弱です。というのもワクチンを受けた人は、ほとんどの場合、国全体で見ると、重度の病気から守られているからです。ワクチンを接種していない人は、そのことにより、感染を拡大させ、最終的にはすべての人に影響を与えることになります」
ワクチン接種者にも同等のウイルス量
アメリカでは現在、新型コロナの陽性者が増えており、感染爆発が起きたマサチューセッツ州の街、プロビンスタウンではワクチンを2回接種した人の間でも、インド由来のデルタ株が広がる可能性があるという。
実際、この街での調査の間、研究者たちは、ワクチンを接種して感染した人の鼻に残っていたウイルス量が、ワクチンを接種していない人の量と、同じだったことが分かったそうだ。
このデータにより、米疾病予防管理センター(CDC)は、感染が拡大しているエリアにおいて、ワクチンを接種した人にも、マスク着用のガイドラインを復活する決断に至った。
ただしワクチンを接種して感染した人の症状は、いずれも圧倒的に軽症であり、入院や死亡には至っていない。ファウチ所長は、マスク着用について次のようにお願いしている。
「仮に感染したとしても、家族や子供、基礎疾患のある人など、感染しやすい人にうつさないように、マスクを着用してほしいと思っています」
CDCによれば、アメリカではより感染力が強いとされるデルタ株の感染がほぼ全州に広がっているという。(了)
出典元:ABC News:Fauci warns ‘things are going to get worse’ with COVID(8/1)