ドイツで新型コロナの感染が徐々に拡大、1日の新規陽性者が2万3000人
ドイツでも再び新型コロナウイルスの新規陽性者が増え始め、保健当局が注意を呼びかけている。
27日には2万人以上が感染
ドイツのロベルト・コッホ研究所は10月27日、新型コロナの新規陽性者が1日で、2万3212人になったと発表した。
このところドイツでは陽性者が徐々に増え始め、10月27日からの過去1週間で、10万人あたり118人になったという。
ただしドイツ全土では、病院に入院する患者数は依然、低いままとなっている。
僅かに入院患者数も増加
それでも入院者数も徐々に増えており、10月26日に報告された入院者数は、過去7日間で10万人あたり2.95人。27日に発表された10万人あたり2.77人から、わずかだが増加している。
ドイツの厚生省は先々週、冬になると感染率が悪化する可能性が高いと再度警告。このような感染者の増加は、病院への入院が増加する可能性もあると指摘した。
またハンブルグ・エッペンドルフ大学医療センター(UKE)のStefan Kluge氏も先週、メディアに対して「ワクチン接種によって多くの人々が誤った安心感を得ていると考えている」と述べた。
さらにKluge氏によれば、同病院の集中治療室には20代後半から70代までの幅広い年齢層の患者が入院しており、そのうちの90%はワクチンを接種していないという。
各地域で感染状況が異なる
ドイツでは各地域によって感染状況が異なり、患者の多い地域では病院が逼迫しているほどではないものの、ベッドが満床になっているところもあるという。
ワクチン接種に関しても、やはり懐疑論が根強く接種が進んでおらず、接種率も66.6%。しかもマスク着用義務の行動制限も解除されている。
大幅な行動制限は行わない予定
ドイツでは政権交代が起き、中道左派の社会民主党(SPD)、環境保護団体の緑の党(Greens)、新自由主義団体の自由民主党(FDP)の3党が現在、新政権の樹立に向けて交渉を開始している。
そして新型コロナの状況について、SPDのDirk Wiese議会副議長は感染者が増加していると認めつつも、「深刻な脅威ではなく、”流行状況 “という言葉が妥当である」と発言。
学校の閉鎖、ロックダウン、外出禁止令などは今後行われず、今のところも必要ないと語っている。(了)
出典元:DW:COVID: Germany set to end national state of emergency(10/27)