NZでも「オミクロン株」のクラスター、再び行動制限を実施
ニュージーランドでは再び新型コロナウイルスの感染者が増え始めたため、23日から国全体で最高レベルの行動制限がかけられることになった。
「オミクロン株」のクラスターも発生
ニュージーランドでは、1月8日に新型コロナの新規陽性者が148人確認され、その後も1日に約60人から90人の陽性者が報告されてきた。
また先週は「オミクロン株」に9人が感染、クラスターも発生したと言われている。
このケースでは北島の都市・オークランドで結婚式に出席した家族が、南島に飛行機で帰ったあとに陽性が確認され、フライト・アテンダントも感染したそうだ。
保健当局は、このグループから地域への感染のレベルも高いと予想している。
イベントなどでは収容人数を100名に制限
この状況を受け、ニュージーランド全土では23日から最も高いレベルの行動制限がかけられることになった。
屋内での会場やイベントでは、ワクチンを接種した人でも収容人数が100名までに制限され、ワクチンパスポートを使用しない場合は、定員が25人までとなった。
この制限は、ジムや結婚式も含まれる。また店舗や公共交通機関でのマスク着用や、4年生以上を含む学生にも、学校内でマスクの着用が義務付けられたという。
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相も実は今月、テレビ司会者のクラーク・ゲイフォードさんとの結婚式を予定していた。しかし記者会見の場で、アーダーン首相は自身の結婚式をキャンセルすると明言、次のように語っている。
「私は、あえて言えば、パンデミックによってより壊滅的な影響を受けている他の何千人ものニュージーランド人と変わりません、その中でも最も痛ましいのは、愛する人が重病の時に一緒にいられないことです。それは、私が経験するどんな悲しみよりもずっとずっと大きいでしょう」
ただし今回の行動制限はロックダウンではなく、店などの営業は禁止されていない。
ゼロ・コロナから方針を転換
ニュージーランドは、パンデミック開始以来、厳格なルールのもとで対策が実施され、死者を最小限に抑えることができたと言われている。
またニュージーランドは世界で最初に国境を閉鎖した国の1つであり、それ以降に発生したウイルスの流行も閉鎖で食い止めてきた。
しかし「デルタ株」が現れてから、アーダーン首相は新型コロナ感染者をゼロにする作戦から、ワクチン接種率の向上とウイルスを風土病扱いにして推進することに方針を転換した。
現在、12歳以上の国民の約94%が完全なワクチン接種を受け、対象者の56%がブースター接種を受けたと考えられている。(了)
出典元:BBC:Covid: New Zealand PM Ardern cancels wedding amid Omicron wave(1/23)