たった1人でウクライナから逃れてきた少年、無事にスロバキアに到着
ロシア軍の攻撃が続くウクライナから、たった1人で逃れ、国境を越えることができた少年がいる。
やむなく息子を1人で避難させる
その少年とは、11歳のハッサン君だ。ザポリージャに住む母親のJulia Piseckaさんによれば、隣町にはザポリージャ原発があり、当時ロシア軍が攻撃をしていたという。
しかしJuliaさんには年老いた母がおり、1人では動くこともできないため、母親を残すことができず、やむなくハッサン君を1人でスロバキアの親戚の元へ向かわせたそうだ。
Juliaさんはハッサン君を列車に乗せ、彼は3月4日に約1200km離れたスロバキアとの国境の町へと到着。その時、ハッサン君は小さなバッグ2つとパスポート、親戚の電話番号の紙だけを手にしていたという。(電話番号は手にも書かれていた)
国境管理の職員に助けられて無事入国
国境の街でハッサン君は、国境管理の職員に助けられて、スロバキアの首都ブラチスラバにいる親族と連絡を取る間、ボランティアに引き取られ、食べ物と飲み物を与えられた。
その後、彼は無事に国境を越え、スロバキアに入ることができたそうだ。
母親のJuliaさんは、スロバキア警察が投稿したビデオの中で、息子の世話をしてくれた人々に感謝し、泣きそうになりながら、ウクライナの子どもたちに安住の地を与えてくれるよう訴えたという。
スロバキア内務省の職員は、ハッサン君がその笑顔と大胆不敵さ、そして決断力で、国境にいる皆を魅了したと語っている。
スロバキアの内務大臣・Roman Mikulec氏も、3月7日にハッサン君と面会。その後、フェイスブックにおいて、次のように述べている。
「私たちは、紛争前にウクライナからスロバキアへ逃れてきた全ての人に対して、助ける準備ができていることを保証します。人々は私たちと共にいて、安全を感じるでしょう。一時的な保護を求めれば、人々には医療や社会保障、食べ物、宿泊施設、教育、仕事の機会も提供されるでしょう」
またスロバキア当局は、少年の母親と祖母を助けたいと思う人々に、スロバキアのキリスト教青年会「ZKSM」に寄付をするよう促しているという。(了)
出典元:BBC:Ukraine war: Boy of 11 flees to safety in Slovakia by himself(3/8)
出典元:Yahoo finance:11-year-old Ukrainian boy fled to Slovakia by himself(3/9)