セベロドネツクの大部分をロシア軍が支配下に、中心部へ向けてゆっくり前進
ウクライナ東部・ルハンスク州の都市、セベロドネツクの大部分がロシア軍の支配下に置かれたと報じられている。
「包囲される危険はない」
ルハンスク州のSerhiy Haidai知事によれば、セベロドネツクの大部分がロシア軍の支配下に置かれ、ロシア軍はなおも市の中心部へ向けてゆっくり前進しているという。
一方で、セベロドネツクの行政責任者であるOleksandr Stryuk氏は、ロシア軍が同市の「約半分」を制圧し、前線が街を二分してしまったと述べている。
また街の中心部にある重要なインフラはほぼ100%破壊され、住宅の90%が損害を受け、そのうちの60%がもはや復旧不可能な状態だそうだ。
しかしウクライナ軍はロシア軍に包囲されておらず、抵抗を続けており、また川向こうのリシヤンスクまで後退できるため、包囲される危険はない、とHaidai知事は述べている。
ただロシアの砲撃により、人道的物資の輸送や人々の避難が不可能になっているという。
しかも5月31日には、ロシア軍によりセベロドネツク東部にある化学工場の硝酸入りタンクが空爆され、ウクライナ当局が有毒ガスのために避難している人々に外へ出ないよう呼び掛けた。
ロシア軍側は、セベロドネツクの約3分の1を制圧したと主張。ただしその攻撃は、彼らが望んでいたよりも時間がかかっていると認めている。
下の動画はドネツク州、Novomykhailivkaでのロシア軍の攻撃の様子。
russian TOS-1A shelling Ukrainian positions near Novomykhailivka, Donetsk region. This is what the the largest and most horrific war of the 21st century looks like. Ukraine is ready to strike back. To do this, we need NATO-style MLRS. Immediately. pic.twitter.com/XwdBfAfEq8
— Defence of Ukraine (@DefenceU) May 26, 2022
南部や北東部でウクライナ軍が進軍
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は5月31日、深夜のテレビ演説で、軍事情勢に言及し、ウクライナの前進の一部を説明した。
それによればウクライナ軍が南部ヘルソン市付近でいくつかの成功を収め、ハルキウ州の一部でも前進していると述べたという。
ゼレンスキー大統領は演説において「我が国の防衛軍は、ロシア軍が装備と数の面で大きな優位性を持っているにもかかわらず、最大限の勇気を発揮し、前線の状況を支配している」と説明した。
米「長距離のロケットシステムは送らない」
またアメリカ、ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は、ロシアとの軍事的損失に直面しているウクライナにロケットシステムを送ることを検討していると述べた。
ただしウクライナの戦場を越えて、ロシアへ届く長距離のロケットシステムは、送られることはないと述べている。
アメリカのジョー・バイデン大統領は5月30日に、ロシアまで届くロケットシステムをウクライナに送ることはないと述べていたが、今回の報道官の発言はそれを改めて認めたものとなる。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: Russian troops control most of Sievierodonetsk; Russia cuts gas supplies to Netherlands, Denmark and Germany – live(5/31)