ロシア国防省、セベロドネツクの住宅街を占拠、一方将官の死亡も確認
ロシア国防省はウクライナ東部における戦況を報告したが、同時にロシア軍の将官の死亡や兵士の士気の低下なども伝えられている。
住宅地を占領、工業地帯も支配下へ
ロシアのショイグ国防相は6月7日、ロシア軍がウクライナ東部のルハンスク州の97%を掌握していると発表した。
またロシア軍がルハンスク州の重要都市・セベロドネツクの住宅地を占領し、その郊外にある工業地帯と近隣の町を支配するために戦っていると明らかにした。
ルハンスク州のSerhiy Haidai知事も、ロシア軍が同市近郊の工業地帯を支配していることを認めているという。下の写真はセベロドネツク市内の町、Rubizhneの様子。
Before (March 29, 2022) and after (June 6, 2022) #satellite #images showing the destruction of buildings in Rubizhne, #Ukraine. Location: 48.985938, 38.403.274. pic.twitter.com/XTjsNTudz4
— Maxar Technologies (@Maxar) June 7, 2022
ロシア軍の将官の戦死を確認
ただロシア軍にも損害が出ているようで、先日将軍が戦死したと報じられたが、今回死亡が確認された。
ドネツク州の親ロシア派分離主義者のリーダー、デニス・プシーリン氏は、戦闘中においてロシア軍のクトゥーゾフ将軍が死亡したことを確認したという。
クトゥーゾフ将軍の死は、すでにロシア国営放送「ロシア1」が報じており、彼が東部の部隊を戦闘に導いている最中に死亡したと伝えていた。
大統領に嘆願するロシア兵も
一方、ロシア軍の士気は落ちており、ロシア人兵士の中には、戦場の状況や前線への派遣が合法かどうかの調査をプーチン大統領に求める嘆願書を公表した者もいるという。
またSNSにも、状況の改善を求めるロシア兵や、不平を漏らす兵士の動画などが複数投稿されている。
ロシアのウクライナ東部への攻撃は、一定の成果をもたらしたが、死傷者が非常に増えている証拠もあり、一部の部隊は疲弊しつつあるとの見方もあるそうだ。
「アイアンドーム」の購入を希望
一方、ウクライナ側はイスラエルに対して、ロシアの侵攻から市民を守るため、ロケット迎撃システム「アイアンドーム」の販売と対戦車ミサイルの提供を求めているという。
ウクライナ大使のエフゲン・コルニチュク氏は以前から、イスラエル政府がミサイル防衛システムの売却を妨害していると非難していたが、今回改めて軍事支援を求めた。
コルニチュク氏は6月7日、記者会見においてウクライナが「アイアンドームシステム」の購入を望んでいると述べ、アメリカもそのような売却に反対しないだろう、と主張した。
実はアメリカは、約10年前からイスラエルの「アイアンドーム」を財政的に支援しており、その製造とメンテナンスに約16億ドル(約2100億円)を提供してきたという。
住民約600人を拷問部屋に収容か?
またウクライナ政府は、ロシア軍が南部のヘルソン地方で住民約600人を拉致し、「拷問部屋」に収容していると非難している。
ウクライナ大統領府のクリミア常駐代表タミラ・タチェワ氏によると、約300人の「主にジャーナリストや活動家」がヘルソン市で拘束され、残りは他の居住区にいた人たちだという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: almost 600 people ‘detained in torture chambers’ in Kherson, says Ukraine – live(6/7)