スペースXのロケットから、長さ3メートルの宇宙ゴミが牧場に落下
巨大な宇宙ゴミ(スペースデブリ)が、オーストラリアの牧場に落下した。調査すると、スペースXのロケットから切り離されたものの一部であることが分かった。
地面に突き刺さった長さ3mの金属
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ジンダバインの牧場主Mick Minersさんは、7月25日、娘さんから「大きな音がした」と聞かされた後、牧場で黒焦げの奇妙な物体を見つけた。
長さ3mのその物体は金属製で、地面に突き刺さった状態だったという。
調査にあたった天体物理学者のBrad Tucker氏(オーストラリア国立大学)によれば、これは2020年11月にスーペースXが実施した有人宇宙飛行「Crew-1 ミッション」から生じた宇宙ゴミであるとのこと。地元メディアのインタビューを受けて彼はこう話している。
「スペースXが人間を乗せるカプセルは、底の部分が切り離せるようになっています。宇宙飛行士が地球に戻るときは、底の部分を切り離して宇宙に残し、カプセル本体だけが着陸します」
切り離された底の部分はやがて地球に落ちてくるが、大気圏に突入した際にバラバラになり、海に落ちるように計画されているのだそう。ところが……
「この3mの部品が地面に突き刺さっていたということは、明らかに、海に落ちなかったものがあるということですね」
Tucker氏は現場の写真をツイッターに投稿している。
I just got back from Dalgety, NSW. I was busy confirming that parts of a @SpaceX Crew-1 Trunk capsule crashed into a few paddocks in rural NSW! More info to come:https://t.co/2VJzeYMhhn pic.twitter.com/sQsE4WAxRq
— Brad Tucker (@btucker22) July 29, 2022
スペースXの所有物
「これ(落ちて来た宇宙ゴミ)は、法律的には、スペースX社の所有物ということになります。処理するにはいろいろな法的手続きが必要なので、現在、オーストラリア宇宙庁が対処しています」とTucker氏。
イーロン・マスク氏率いるスペースX社が、もし、このロケットの部品を取り戻したいと言った場合、牧場主のMinersさんに幾らかのお金を払わなければならないらしい。(了)
出典元:Metro:Huge piece of Elon Musk space junk lands in Australian bloke’s farm(8/1)
出典元:Newsweek:Huge Piece of Space Rocket Falls From Sky and Lands on Sheep Farm(7/29)