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イギリスでは気候変動の影響で、開花時期が1カ月早まっていた:ケンブリッジ大学

イギリスでは気候変動の影響で、開花時期が1カ月早まっていた:ケンブリッジ大学
University of Cambridge

イギリスでは、過去のデータと比べて、花の開花時期が平均で1カ月早まっていることが明らかにされた。

 

40万件以上の観測データを分析

 

この研究を行ったのは、ケンブリッジ大学を中心とした研究チームだ。

 

彼らは、18世紀半ばまで遡る市民科学データベース「ネイチャーズ・カレンダー」に掲載された、406種の植物に関する40万件以上の観測データをもとに分析。初花の日付と気温の測定値を照合したという。

 

その結果、1987年から2019年までの平均的な初花開花日は、1753年から1986年までの平均的な初花開花日よりも丸々1カ月早くなっていることが判明した。

 

これらの期間は、人間活動による地球温暖化が加速している時期と重なっており、今後この変化は野生生物、農業、園芸家にとって重大な影響を及ぼす可能性があるそうだ。

 

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生態系に及ぼす影響を認識するのは困難

 

移住や冬眠の時期を季節に合わせる動物たちは、開花時期の早まりにより、食料として頼っている花や植物なしで、過ごすことを余儀なくされる可能性があるという。

 

これは生態学的ミスマッチとして知られる現象で、個体群が十分に迅速に適応できない場合、生物多様性の喪失につながる可能性がある。この研究の主執筆者であるケンブリッジ大学地理学部のUlf Büntgen教授は、次のように述べている。

 

「植物や昆虫、鳥などの野生動物は、発達段階がシンクロするほど共に進化してきました。ある植物が花を咲かせると、特定の種類の昆虫が集まり、その昆虫が特定の種類の鳥を呼び寄せる、というように。しかし、ある構成要素が他の構成要素よりも速く反応すると、シンクロできなくなるリスクがあります。そしてもし動物たちが早く適応できなければ、複数の種を破滅へと導くことになるのです」

 

また農業分野や園芸家にも重要な影響が出ることが懸念され、例えば暖冬の後に果樹が早く開花した場合、その花が遅霜に見舞われると、作物全体が枯れる可能性もあるそうだ。

 

しかし気候変動が生態系に及ぼす長期的な影響は、より繊細であるため、認識や定量化が困難だと考えられている。Büntgen教授も、次のように述べている。

 

「気候変動がさまざまな生物種にどのような影響を与えているかを見るために、私たちはさまざまな環境データを使用できます。しかし我々が持っている記録のほとんどは、比較的狭い地域の1種類または一握りの種類しか考慮していません。気候変動が私たちの世界に何をもたらしているかを本当に理解するためには、長期間にわたって生態系全体を観察する、より大規模なデータが必要なのです」

 

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「ネイチャーズ・カレンダー」とは?

 

ちなみにイギリスでは18世紀以来、季節の変化の観測は、科学者、自然主義者、アマチュアやプロの園芸家、王立気象学会のような組織によって記録されてきたという。

 

そして2000年、民間団体「ウッドランド・トラスト」は生態学・水文学センターと協力して、これらの記録を照合し、1736年までさかのぼる約350万件の記録を持つ「ネイチャーズ・カレンダー」を作成した。(了)

 

出典元:University of Cambridge:UK plants flowering a month earlier due to climate change(2/2)

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