ザポリージャ原発付近の住民にはヨウ素が配布されていた、放射能漏れを恐れ
先日、ウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所への送電が、一時的に切断されたが、その際の出来事が明らかになった。
冷却システムに影響が及ぶ可能性
ザポリージャ原発は8月25日、何らかの攻撃による火災発生が原因で、ウクライナの送電網から一時的に切り離される事態となった。
現在は原子力発電所に電力が繋がり、復旧しているが、切断が長引けば原子炉や使用済み燃料棒の冷却システムが壊滅的な打撃を受ける危険性があったという。
このため発電所周辺の戦闘が大惨事を引き起こすのではないかとの懸念が高まり、付近の住民にはヨウ素の錠剤が配布されたそうだ。
大統領も原発職員の働きに感謝
ウクライナの国営原子力機関である「Energoatom」は、稼働中の2基の原子炉のうち1基が、26日の午後までに送電網に再接続されたと発表した。
これは原発の職員らにより、ウクライナの送電網に接続するための努力が続けられた結果とされ、もう1基の原子炉も現在は、能力を増しているという。
「Energoatom」は「ウクライナとヨーロッパ全体の原子力と放射線の安全を、不断の努力でしっかりと守っている」として、原発の職員らに感謝の意を示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領もヨーロッパ最大のザポリージャ原子力発電所で火災が発生し、数時間にわたって電力が遮断されたとき、世界は辛うじて「放射能災害」を回避することができたと述べている。
またゼレンスキー大統領は、バックアップのディーゼル発電機が、原発の冷却と安全システムに不可欠な電力供給を行ったと述べ、ロシア軍の監視下で原発を操作したウクライナの技術者を賞賛したという。
しかし原発周辺での戦闘は続いており、衛星画像でもここ数日、原発周辺で火災が発生していることが確認され、依然として予断を許さない状況となっている。
ベラルーシの戦闘機が核搭載用に改装
また少し気になる情報としては、ウクライナの隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領の発言だ。
ルカシェンコ大統領は、自国の「SU-24」戦闘機が核兵器を搭載するために再び改装されたと発言している。
大統領は、ロシアのプーチン大統領とこの動きについて事前に合意していたとし、西側からの「深刻な挑発」に即座に対応する用意があると警告した。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: EU to hold urgent talks over Russian ‘energy war’; Ukraine announces mandatory evacuations – as it happened(8/26)