チベットで異例の抗議デモ、ゼロ・コロナ政策に不満を持つ人々が集結
チベット自治区の首都で、中国政府によるゼロ・コロナ政策に抗議するデモが行われ、その映像がSNSにも浮上している。
警官が道路を封鎖、自宅へ戻るよう指示
そのデモが起きたのは10月26日、場所はチベット自治区の首都、ラサとされている。
SNSに投稿されている動画には、数百人の人々が路上に集まり、警察官がその道を封鎖し、スピーカーで「どうか理解を示して、家に戻ってください」と呼びかけている様子が映っていた。
集まった人々は主に漢民族の出稼ぎ労働者とされ、中国当局によるゼロ・コロナ政策に不満を持ち、抗議を行ったと見られている。
#China: Footage from #China occupied #Lhasa city of #Tibet which is closed for 70 days due to active #Corona cases.
Many migrant workers have no income and cannot return to their home town due to lockdown.@W0lverineupdate pic.twitter.com/NmJCdksfGo
— Siraj Noorani (@sirajnoorani) October 26, 2022
働けず、家に閉じ込められる
実は首都のラサでは、新型コロナにより、すでに3カ月近くロックダウンが行われて来たという。
このため労働者は働けず、家に閉じ込められ、故郷に帰ることもできない状況に置かれてきたそうだ。
チベットは中国で最も警備が厳重な地域の1つとされており、このような抗議活動が行われること自体、珍しいとされている。
「いつまで続けるつもりか?」
中国版TikTokであるDouyinにも、ゼロ・コロナ政策の結果、ラサに閉じ込められた人々の投稿が見られたという。
投稿には「今日でラサでの監禁は77日目です。いつまでこんな状態が続くのかわからない。希望が見いだせない」や「この3カ月間、収入がないのに、支出は1円も減っていない。ラサの友人たちよ、いつまでこんなことを続けるつもりだ」と書かれていたそうだ。
チベット人の情報筋によれば、デモ参加者らは、もし制限が解除されなければ火を放つと警告しているという。
また別の人物も、市民と警官の間のいざこざが、暴力に発展する恐れがあると語っている。
地元当局は27日、ラサで新たに8件の新型コロナ患者が報告されたと発表しているが、中国の国営メディアなどは、抗議活動に関して報道していないそうだ。(了)
出典元:BBC:China Covid: Videos emerge of rare protests in Tibet(10/27)