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デンマークの自治体がコンドームを無料配布、政府支援で10代の妊娠も減少

デンマークの自治体がコンドームを無料配布、政府支援で10代の妊娠も減少
Twitter / Michael Leander

デンマークの自治体がコンドームを割引価格で販売、あるいは無料配布する取り組みを行っているとして注目を集めている。

 

自治体経営の店舗でコンドーム購入可能

 

コンドームを割引価格で販売するという画期的な取り組みで注目を集めるのは、デンマーク西部に位置するラナースの自治体だ。

 

 

ここでは自治体が経営する店舗において、コンドームを通常よりも安価な価格で販売。

 

若者世代にコンドームを手に取ってもらえるよう、取り組んでいるという。

 

目的は10代の少女の妊娠を防ぐこと

 

デンマークでは性感染症と、望まない妊娠を防止するための戦略を各自治体が考案。

 

自治体によっては経口避妊薬やコンドームを無料で配布するところまで存在するという。

 

ラナースのヘルスセンターでコンサルタントを務めるAnja Næsgaard Dal氏は、ラナースの自治体の取り組みは10代の少女の妊娠を防ぐ目的によるものであると説明。

 

さらに「最も良い避妊法を保障するというのは良いアイデアだ。これは10代の若き母親の数を減少させるのに有効だ」としている。

 

またラナースの自治体が経営する店舗でコンドームを購入する人々の多くは、30歳以下であるとのことだ。

 

取り組みの成果により10代の母親の数は減少

 

一方、コンドームの割引価格による販売や、無料での配布は自治体にとっては歳出となる。

 

しかしDal氏は、この取り組みが長期的には自治体の支出を削減することになるとする。

 

デンマークでは近年10代の母親の数は顕著に減少。

 

2007~09年の間には900人以上の10代の母親が存在していた一方、昨年には474人にまで減少しており、Dal氏はデンマーク政府による政策がこれに貢献していると指摘する。

 

デンマークでは2014年、全ての人々がコンドームや避妊薬を手に取ることができるよう、自治体が支援を行うことが可能となった。

 

これ以前には“特別な支援を必要とする”若者のみが、無料でコンドームや避妊薬などを手に入れることが出来たという。

 

一方、デンマークの首都であるコペンハーゲンの自治体の委員を務めるSisse Marie Welling氏は、子供を持つのが遅くなりすぎても問題であると指摘する。

 

「コペンハーゲンにおける最大の問題は、コペンハーゲンの人々が子供を持つのが遅すぎるということです。さらに悲しいことに、多くの人々は望んでいたよりも少ない子供を持つか、あるいは子供を一人も持っていません」

 

 

コンドームや避妊薬を格安、あるいは無料で配布するというデンマークの試み。望まない妊娠が減ることは喜ばしいことではあるが、これが人口減少や少子高齢化を引き起こすことにならないか気がかりでもある。(了)

 

出典:The Local Denmark:Danish municipalities pay for condoms and birth control to prevent teen pregnancies(3/27)

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