アナログレコードが人気、アメリカでCDの売り上げを抜く
多くの人がストリーミングで高音質の音楽を聴く今の時代、チリチリという雑音混じりのアナログレコードが売り上げを伸ばすとは誰が思っただろう。だが、アメリカレコード協会から発表されたデータによると、それが実際に起こっている。
絶滅危惧のアナログレコードが復活していた
アメリカレコード協会が最近公開した調査レポートによると、2022年に、アナログレコード(塩化ビニール製のヴァイナルレコード)の販売量がCDの販売量を抜いた。CDは3300万枚だったが、アナログレコードは4100万枚をわずかに超えており、アナログレコードの方が多くなったのは過去35年間で初めてのことだそう。
また、フィジカル音源(レコード、CD、カセットテープなど形として存在する音源)全体の中でアナログレコードが占める割合は71%と多く、この割合は過去16年連続して増え続けている。
レポートによると、フィジカル音源は新型コロナが流行し始めた2020年に、全体的に売り上げが落ち込んでいた。その理由は、ミュージックショップが休業したり、コンサートツアーが中止になったためだ。(コンサート会場では多くのCDが売れる)
だが、2021年になるとCDの売り上げが伸び、過去17年間で初めて前年度の売り上げ高を超えた。この時はCDが復活したかに見えたが、これは一時的なもので、翌年2022年になるとCDの売り上げは18%減少、一方アナログレコードは17%増加した。
イギリスでもアナログレコードが伸びている
先月の英国レコード産業協会の発表によると、2022年イギリスのアナログレコードの売り上げ高は、過去30年間で最高だった。
なかでも特によく売れたのは、テイラー·スウィフトのアルバム「ミッドナイツ」や、ハリー·スタイルズの「ハリーズ·ハウス」、アークティック·モンキーズの「ザ·カー」、リアム·ギャラガーの「カモン·ユー·ノウ」のアナログレコード版。
こうしたアナログレコードのリバイバルで、レコード販売店チェーンHMVの業績が上がっているそうだ。イギリスHMVのオーナーであるDoug Putman氏は、「信じられないことに、10才、15才、18才といった若い人たちが来店している」と語っている。(了)
出典元:MailOnline:The return of the record! Vinyls outsell CDs for the first time in 35 YEARS following a surge in popularity for retro gadgets(3/14)
出典元:Recording Industry Association of America:YEAR-END 2022 RIAA REVENUE STATISTICS