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リビアで2.5トンのウランが消失、拡散の懸念が高まる

リビアで2.5トンのウランが消失、拡散の懸念が高まる
Twitter/Libya Review

アフリカのリビアで、保管されていた大量のウラン(ウラニウム)の行方が分からなくなっており、懸念が広がっている。

 

IAEAが確認を試みる

 

ウィーンに本部を置く国際原子力機関(IAEA)によれば、約2.5トンのウランが入ったドラム缶18本が、リビアで行方不明になったという。

 

核物質の保護措置を行っている査察官は、指定された場所に天然ウランがないことを発見し、核物質の持ち出し状況や現在の場所を明らかにするために調査を行ってきたそうだ。

 

3月15日には、IAEAのグロッシ事務局長が、加盟国にウランの紛失を報告。その後、リビア政府と戦闘を続けている武装勢力「(自称)リビア国民軍」が、このウランを回収したと明らかにした。現在、IAEAはその確認を試みている。下は「リビア国民軍」が公開した動画と同様のもの。

 

カダフィ大佐が大量に保管していた

 

リビアの独裁者・カダフィ大佐は、かつて計画されたウラン転換施設(建設されなかった)のために何千バレルもの、いわゆる「イエローケーキ」と呼ばれるウランの粉末を保管していたという。

 

しかし、2011年の「アラブの春」では、反政府勢力がカダフィ大佐の政権を倒し、彼は最終的に市民によって殺害されてしまう。

 

そして現在、リビア政府は、ハリファ・ハフタル司令官が率いる「リビア国民軍」と戦争中で、今回国民軍がウランのドラム缶を発見したと声明で発表した。

 

遠心分離機で濃縮する必要がある

 

天然ウランは、エネルギー生産や爆弾の燃料として、すぐに使用することはできない。通常、濃縮プロセスでは、ウランをガスに変え、その後遠心分離機で必要なレベルにまで濃縮する必要があるという。

 

しかし、1トンの天然ウランは、技術的手段と資源を持つグループが入手すれば、時間をかけて5.6kgの兵器級材料に精製することができるとも言われている。

 

このためIAEAにとっては、核不拡散の観点からも、この物質を見つけることが重要となっている。(了)

 

出典元:ABC News:UN nuclear watchdog: 2.5 tons of uranium missing in Libya(3/16)

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