釘を手と足に打ち込まれ…フィリピンで行われた十字架の磔がヤバ過ぎる
先日、フィリピンでイエス・キリストの苦しみを再現するために、人々が十字架で磔にされた。
8人が自ら磔にされる
その行事が行われたのは4月7日、場所は首都・マニラ北西部にあるパンパンガ州のサンペドロ・カトゥードという農村だ。
その日、8人のフィリピン人が、イエス・キリストの苦しみを体験するため、自ら十字架で磔になったという。
この行事はカトリック教会によって止めるよう求められていたにも関わらず、新型コロナによる3年間の中断を経て、今回実施されたそうだ。
34TH CRUCIFIXION
LOOK: Devotee Ruben Enaje, this year’s “Kristo” of San Pedro Cutud, performs his 34th re-enactment of the crucifixion of Jesus Christ in San Fernando, Pampanga, on Good Friday, April 7. #HolyWeek | 📷: Jam Sta Rosa/AFP pic.twitter.com/Cl57feejYr
— Inquirer (@inquirerdotnet) April 7, 2023
ウクライナ侵攻の終結を祈る
十字架への磔には、約12人の農民が登録したが、実際に磔にされたのは、62歳の看板職人であるルベン・エナジェさんを含む8人の男性のみ。
この磔では実際に手足に釘が打ち込まれるのだが、磔を終えたエナジェさんは、包帯を巻いた両手を記者に見せ、元気そうな様子で「新型コロナウイルスの根絶と、ロシアのウクライナ侵攻の終結を祈った」と語った。
また彼によれば、釘打ちの痛みは予想したほどではなかったが、磔にされる前はいつも気が重いという。
10センチの釘を手と足に
磔にされる前、エナジェさんたちは、茨の冠をかぶり、灼熱の中、重い木の十字架を1キロ以上背負い続けたという。
彼らは裸足で村の通りを歩き、その際には鋭い竹の棒や木片で裸の背中を叩く者もいたそうだ。
過去には、儀式をさらに血なまぐさいものにするため、割れたガラスで懺悔者の背中に切り込みを入れる参加者もいたとか。
その後、ローマの隊長に扮した村の役者が、8人に10センチのステンレスの釘を掌と足に打ち込み、約10分間、彼らは太陽の下で十字架に架けられたそうだ。
ビルから転落したことがきっかけ
このような行事は、教会の伝統と民間の迷信を融合させた、フィリピン独自のカトリック信仰を反映していると考えられている。
磔にされる人々は、罪を償うため、または病人やより良い生活のために、そして奇跡に感謝するために、この儀式に参加するという。
実際にエナジェさんも1985年、3階建てのビルから転落した際、ほぼ無傷で済んだことから、奇跡への感謝として、この試練を受けるようになったそうだ。
また愛する人が次々と重い病気から回復した後も、エナジェさんはこの儀式を続け、「キリスト」の苦行を再現する人物として、村の有名人になったという。(了)
出典元:ABC News:Filipinos nailed to crosses despite church objection(4/7)