ウクライナの港に2隻の貨物船が到着、ロシアの穀物合意離脱以来、初めて
ウクライナの港に、新しいルートを通ってきた2隻の貨物船が到着した。
小麦2万トンを積み込む予定
2隻の貨物船は9月16日、オデーサ州にあるChornomorskの港に到着。今後は、世界市場向けの小麦2万トンを積み込む予定だという。
ロシアが穀物合意を離脱し、船舶の安全が確保されなくなって以来、民間の貨物船がウクライナの港に到着するのは、初めてとされている。
ウクライナのOleksandr Kubrakov副首相兼インフラ相によれば、この船は「パラオ」の国旗を掲げて航行し、乗組員はウクライナ、トルコ、アゼルバイジャン、エジプトの人々で構成されているという。
またこれらの船は、今後エジプトとイスラエルに小麦を届ける予定だとされている。
❗️First civilian vessels use the temporary corridor to reach Ukrainian ports ❗️
After using a temporary corridor to allow ships blocked by Russian aggression to leave the ports of Odesa, Chornomorsk and Pivdennyi, the bulk carriers RESILIENT AFRICA and AROYAT confirmed their… pic.twitter.com/5q2HW2lZJ4
— Oleksandr Kubrakov (@OlKubrakov) September 16, 2023
合意離脱後は、ウクライナの港を攻撃
ウクライナは、ヒマワリ油、大麦、トウモロコシ、小麦といった作物の、世界最大の供給国の1つだったが、2022年2月にロシアが侵攻した際、ロシア海軍はウクライナの黒海の港を封鎖し、輸出用だった2000万トンの穀物を封じ込めた。
これにより世界の食料価格は高騰し、ウクライナから大量の食料を輸入している中東やアフリカの国々で不足が生じる恐れがあった。
それらの国の中には、アフガニスタンやイエメン、スーダン、エチオピアも含まれ、この国々は依然として人道支援を切実に必要としているそうだ。
昨年7月、国連やトルコの仲介で、ウクライナによる黒海経由の穀物輸出を再開させることでロシアが合意。ウクライナから穀物が安全に運ばれることになった。
しかし今年の7月、ロシア政府は、食料と肥料の輸出を認める取り決めの一部が守られておらず、西側の制裁が自国の農産物輸出を制限していると訴え、穀物合意から離脱。以来、ウクライナに向かう民間船舶を、潜在的な軍事標的として扱うと脅している。
またロシア軍は黒海を通過する船舶を脅すだけではなく、7月以降、ウクライナの穀物輸出の船の多くが出港しているイズマイル港やレニ港を何度も攻撃し、操業を妨害しようとしている。(了)
出典元:BBC:First grain ships arrive in Ukraine using new route(9/17)