アメリカ、イスラエル支援のため2000人の部隊に派遣準備命令
アメリカ政府は、イスラエルを支援するため、自軍の部隊に派遣準備命令を出した。
約2000人の兵士を選抜
ウォール・ストリート・ジャーナル紙が国防当局者の話として報じたところによると、アメリカ軍は約2000人の兵士を選抜し、イスラエルへの助言や医療支援などの任務に就かせるという。
ただしこの部隊は、戦闘任務に就くことを意図しておらず、歩兵部隊は配備準備命令を受けていないそうだ。
これらの部隊は現在、中東の内部と外部、ヨーロッパなどに駐留しているが、どのような状況下で、あるいはどこに部隊を展開させるかは明らかになっていない。
ただ国防総省の派遣準備命令は、イスラエルがガザへの地上侵攻を開始した場合に備え、イスラエル軍を支援する準備をしていることを示唆している。
「ハマス」が人質と同胞との交換を要求
パレスチナ武装組織「ハマス」は、10月7日の攻撃で奪った人質と引き換えに、「イスラエルの刑務所にいる男女6000人の同胞」の解放を要求したという。
「ハマス」のスポークスマンは、ガザにイスラエル人の人質が「約200~250人いる」と述べており、その中にはイスラエル国防軍(IDF)の「高級将校」も含まれているそうだ。
一方、イスラエル側は、「ハマス」に人質にされた199人の身元を確認したと述べている。
ガザ地区で2800人以上が死亡
ガザ地区の保健省が10月16日に発表した内容によれば、イスラエルがガザ地区へ空爆を開始して以来、少なくとも2808人のパレスチナ人が死亡、1万850人が負傷したという。
またガザに対する空爆により、パレスチナ人ジャーナリスト11人が殺害されたそうだ。
「ハマス」側もロケット弾攻撃を続けており、「ハマス」のアル・カッサム旅団は16日、エルサレムとテルアビブに向けて「ミサイルの連射」を行ったと発表した。
アル・カッサム旅団は声明の中で、今回の攻撃はイスラエルの「民間人への攻撃」に対するものだと述べている。
国連の燃料トラックがガザ地区へ
ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ国境検問所では動きがあったらしく、CNNは、16日の午後、国連の燃料トラック5台がガザ地区に入るのが目撃されたと報じた。
完全封鎖されているガザ地区に、燃料トラックが入るのは、10月7日のハマスの攻撃前以来初めてとなる。
すでにガザ地区の病院では燃料が底をつき始めており、国連人道問題調整事務所(OCHA)も16日未明には、今後24時間以内に発電機の燃料が不足する見込みだと発表していた。
ただ逃れてきたパレスチナ人らは出国することを願っているが、まだ検問所の前で列を作って待ち続けているという。
中国の外相が停戦を要求
中国の王毅外相は、イスラエルと「ハマス」との停戦を求め、次のように述べた。
「国連安全保障理事会は行動を起こすべきであり、主要国は積極的な役割を果たすべきである。停戦を実施し、双方を交渉のテーブルに着かせ、さらなる人道的惨事を防ぐために緊急人道チャンネルを確立することが不可欠だ」
その後、国連安保理が開催され、ロシアが停戦の決議案を提出したが、日本やアメリカなどが反対票を投じ、賛成票が採択に必要な9票に届かず、否決されたという。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Hamas war live: 2,000 US troops told to prepare for deployment as Biden ‘strongly considers’ Israel trip this week(10/16)