ウクライナでの戦闘でロシア軍が敗北、今年最大の犠牲者を出した可能性
ウクライナのドネツク州での戦闘で、ロシア軍が敗北し、かなりの戦力を失った可能性が指摘されている。
最大8個旅団の部隊を投入か?
その戦いは、ドネツク州の町、アウディーイウカを巡るもので、イギリス国防省は、ロシア軍が10月中旬、この町に最大8個旅団の部隊を投入した可能性があるとの見方を示した。
その結果、アウディーイウカではなかなか決着がつかない、激しい戦闘が繰り広げられたが、ロシア軍は敗北し、2023年の戦いの中で、最も犠牲者の割合が高くなった可能性があるという。
またウクライナのゼレンスキー大統領も10月27日、ロシア軍がアウディーイウカへ進軍し、少なくとも1旅団相当の兵力を失ったと主張している。下の動画は、正確な場所は特定できないが、ロシア軍の装甲車や戦車が破壊されていく様子。
The fate of russian tanks in Ukraine.
📹: 31st Mechanized Brigade pic.twitter.com/Gm5QedGJDr
— Defense of Ukraine (@DefenceU) October 29, 2023
ロシアの軍事ブロガーも批判
イギリス国防省によれば、この戦いにおけるロシア軍の戦略については、ロシアの軍事ブロガーらも批判しているという。
イギリス国防省はSNSで「アウディーイウカでの作戦の性質からして、ロシアの中核的な軍事政治的課題が、戦争のほとんどを通じて変わらないことを示唆している」と述べている。
さらに「(ロシアの)政治指導者らはより多くの領土を占領するよう要求しているが、軍は効果的な作戦レベルの攻撃行動を起こすことができないでいる」との見方を示した。
イスラエルでの紛争がウクライナに影響?
またイスラエルと「ハマス」との紛争は、ウクライナでの戦争にも影響を与える可能性が指摘されている。
実際に、ウクライナのゼレンスキー大統領は先日、ベルギーのブリュッセルにあるNATO本部を突然訪問した際、イスラエルでの紛争の激化により、ウクライナへの軍事支援が脅かされる可能性があると、懸念を表明した。
実際、ウクライナを支援してきたアメリカでは、共和党の保守強硬派が、ウクライナへの支援停止を求めているが、イスラエルを支援するための予算には賛成しているという。
新しく下院議長に選出された共和党のマイク・ジョンソン氏も、イスラエルへの支援は緊急で必要であるとし、「我々は単独でも、イスラエル資金法案を可決するつもりだ」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Russian losses in battle for Avdiivka may be worst of 2023, says UK(10/28)