イスラエル軍が、ガザ地区にある3つの病院と学校を攻撃か、赤十字も非難
イスラエル軍が11月10日も、複数の病院に空爆を行い、数多くの死者が出ていると報じられている。
22人が死亡、数千人が避難を開始
パレスチナ側の発表によれば、11月10日にも、ガザ地区にある3つの病院と学校が、イスラエル軍によって空爆され、22人が死亡したという。
また別の病院でも地上戦が行われており、負傷したり避難したりしている人々に対処するのに、病院側も困難に陥っているそうだ。
AP通信の報道によれば、ガザ市中心部にあるアル・シファ病院に避難していた数千人が、そこでの夜の爆発を受けて避難を始めたという。この病院には、8万人が身を寄せていたといわれている。
逃れてきた人の話では、アル・シファ病院には数百人の重傷患者と医師しか残っていないそうだ。
Gaza city | O’ Lord.
2 min ago on Al-Jazeera. pic.twitter.com/l7KWeWWxmm
— Younis Tirawi | يونس (@ytirawi) November 10, 2023
🚨Tens of thousands of Gazans are moving to the southern part of the Gaza Strip for their safety.
For the 6th consecutive day, the @IDF has opened an evacuation corridor.
The evacuation corridor is open today 9:00-16:00. #FreeGaza from Hamas. #HumanitarianEffort pic.twitter.com/oB9l5idqSq— COGAT (@cogatonline) November 10, 2023
イスラエルの狙撃兵が病院を標的
またパレスチナ赤新月社によると、イスラエルの狙撃兵がアルクッズ(al-Quds)病院の集中治療室を標的にし、攻撃を行ったという。
声明によれば、アルクッズ病院でのイスラエル軍による狙撃で1人が死亡、28人が負傷し、負傷者の大半は子供で、そのうち2人が重体だという。
🚨Israeli Occupation forces opened fire on the intensive care unit at Al-Quds hospital.#AlQudsHospital #NotATarget #Gaza pic.twitter.com/ocIk0d8XLb
— PRCS (@PalestineRCS) November 10, 2023
さらにイスラエル軍は、ガザ地区の住民を南部へ避難させるため4時間の戦闘停止を決めたが、停止中にも攻撃はやまず、避難する人々の列に対しても攻撃が行われたとの報道もある。
赤十字国際委員会(ICRC)も10日に声明を発表し、ガザ地区で暴力が激化する中、医療システムが「引き返せない地点に達している」と警告。ガザ地区のICRC副代表団の団長であるウィリアム・ショームバーグ氏も、次のように述べて非難した。
「ガザの病院に影響を及ぼしている破壊は耐え難いものになっており、止める必要がある。 何千人もの民間人、患者、医療スタッフの命が危険にさらされている」
フランスのマクロン大統領もBBCのインタビューにおいて、イスラエルに対し、ガザ地区にいる赤ん坊と女性への爆撃をやめるよう要求。イスラエルによるガザ地区の赤ん坊、女性、高齢者への爆撃は「正当化できない」と非難したという。
その上でガザ地区での「停戦」を呼びかけ、それがイスラエルの利益になると主張した。
イスラエル側は「誤射」の可能性を指摘
イスラエル政府の高官は、アル・シファ病院へ攻撃の1つが、「ハマス」側の「誤射」の結果であることが示されたと主張している。
またイスラエル軍は、「ハマス」が病院の中や地下に潜伏し、アル・シファ病院の地下にも司令部があると疑っているが、「ハマス」や病院職員は否定しているという。
さらに11月9日には、ヨルダン川西岸地区でもイスラエル軍とパレスチナ人が衝突。その結果、パレスチナ人19人が死亡したそうだ。
2つの人質解放案を交渉
一方、ニューヨーク・タイムズ紙が10日に伝えた内容によれば、「ハマス」とイスラエルは2つの人質解放案を交渉しているという。
そのうちの1つは、ガザ地区で人質になっている民間人全員を解放するというもので、イスラエル側は合意を検討しているそうだ。
また別の解放案では、「ハマス」が戦闘の一時停止と引き換えに、イスラエル人の女性と子供、そしてアメリカ人などの外国人を含む10人から20人の民間人の人質を解放する可能性があるという。
その後も、条件が満たされれば約100人の民間人の人質が解放される可能性があるそうだ。
その見返りとして「ハマス」側は、短期間の戦闘の一時停止や人道支援、病院への燃料提供、イスラエルの刑務所にいる女性と子供の釈放を要求しているという。
ガザ地区の保健当局は11月10日、4506人の子供を含む1万1078人が殺害され、2万7490人のパレスチナ人が負傷したと発表した。
一方、イスラエル外務省報道官は、「ハマス」の襲撃による死者数を1400人から約1200人に下方修正した。
その理由について報道官は「身元が特定されていない死体が多数あったという事実によるものであり、現在我々はそれらがイスラエル人の死傷者ではなく、テロリスト(ハマス)のものであると考えている」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Hamas war live: destruction affecting Gaza hospitals ‘becoming unbearable’, says Red Cross; evacuations to Egypt suspended(11/10)