ガザ地区のアル・シファ病院から、31人の赤ん坊が無事退避:WHO
イスラエル軍に急襲されたガザ地区の病院から、未熟児の赤ん坊らが退避し、南部へ搬送されたことが確認された。
31人の赤ん坊と医療従事者が退避
まずパレスチナ赤新月社によれば、彼らは世界保健機関(WHO)および国連人道問題調整事務所(OCHA)と連携し、11月19日に31人の未熟児をアル・シファ病院から避難させたという。
赤ん坊らは現在、ガザ地区の南部に搬送されている模様で、今後はエジプトとの国境に近いラファの町にあるエミレーツ病院に送られる予定だとされている。
世界保健機関のテドロス事務局長も、アル・シファ病院から31人の「重病の乳児」と6人の医療従事者、10人のスタッフの家族が避難したことを認めた。
テドロス事務局長はまた、安全な移動の保証が得られるまで、他の残りの患者や医療スタッフを病院から避難させるため、さらなる任務が計画されていると述べた。
.@WHO has led a second @UN and @PalestineRCS mission to Al-Shifa Hospital in #Gaza today, under extremely intense and high-risk security conditions.
31 very sick babies were evacuated, along with 6 health workers and 10 staff family members.
6 Palestine Red Crescent ambulances… pic.twitter.com/YJc25M0vnc
— Tedros Adhanom Ghebreyesus (@DrTedros) November 19, 2023
5日間の戦闘停止を交渉
現在、「ハマス」が人質を解放する代わりに、イスラエルが5日間攻撃を停止するという交渉が続けられているという。
ホワイトハウス国家安全保障会議のエイドリアン・ワトソン報道官は「X」において「まだ合意に達していないが、合意に向けて懸命に作業を続けている」と投稿した。
カタールのSheikh Mohammed Bin Abdulrahman al-Thani首長も記者会見で、イスラエルとハマスの間の人質協定が合意に達すると、確信が高まっていると発言。残された課題は「非常に軽微」なものだと述べた。
「パレスチナ自治政府がガザ地区を統治すべき」
アメリカのジョー・バイデン大統領は、11月18日のワシントン・ポスト紙の論説で、イスラエル軍と「ハマス」の紛争後には、パレスチナ自治政府がガザ地区とヨルダン川西岸地区を統治すべきだとの考えを示したという。
イスラエル政府は先日、紛争後には、実質的にイスラエル側がガザ地区を統治することになるとの見方を示していた。
しかしバイデン大統領は論説において、「私たち全員が二国家解決に向けて努力する中で、ガザとヨルダン川西岸地区は単一の統治構造の下で、最終的にはパレスチナ自治政府の下で再統合されるべきである」と書き記したそうだ。
またバイデン大統領は、「ヨルダン川西岸のパレスチナ人に対する、(イスラエルの)過激な暴力は止めなければならない」とも記したという。
イスラエル軍がガザ中南部で攻撃
パレスチナ通信社WAFAが報じたところによると、19日早朝、ガザ地区中南部に対するイスラエル軍の空爆により、パレスチナ人15人が死亡したという。
WAFAの報道では、ガザ中部にある「Nuseiratキャンプ」の家屋が攻撃され、13人が死亡、南部ハンユニス市では、女性とその子供1人が死亡した。
また赤新月社は19日、ヨルダン川西岸でのイスラエル軍の襲撃により、少なくともパレスチナ人2人が死亡したと発表している。
ガザ地区の保健当局によれば10月7日以来、イスラエル軍の攻撃により、少なくとも1万3000人のパレスチナ人が死亡、3万人が負傷したという。そして死亡した1万3000人のうち、5500人が子供、3500人が女性だとされている。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Hamas war live: Gaza death toll rises to 13,000, says health ministry; WHO hails al-Shifa hospital workers as ‘heroic’(11/19)